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【僕が20歳歳上のオバサンと暮らす理由】 ==自己理解のための読本録 『Dual デュアルキャリア・カップル』==

この本を読みながら、一番はじめに衝撃を受けたのは、

「日本の女性キャリアの状況は、30年前のイギリスのようだ」

P5

という一節だった。
これはとあるイギリスの心理学者の言葉だそうだ。
半数以上がデュアルキャリアカップルとなっている欧米諸国に比べ、ようやく女性の働き方についても議論が盛んになってきた本国ではあるが、その割合はカップル全体のおよそ2割程度にとどまっているだという。

ネットが普及し、情報が簡単に手に入るようになったこの時代においても、30年の開きがあると聞けば、ここ日本という地に根付く変化の生まれにくい特有の文化や環境の存在を感じざるを得ない。
欧米諸国が獲得した「男女が等しく仕事にも家庭にも積極的に関わることで、充実した人生を送れる」という価値観が普及するにはもう少し時間はかかりそうだ。
しかし、逆にいえば、この本を読み解いていくことで、これから30年先までの地図が手に入るのだと思うと、読み進めるのがとても楽しみになった。


1.20歳差事実婚共同経営カップル

これから、僕たち二人のことを綴っていくにあたって、まずは改めて自分と、パートナーであるあっこがそれぞれどういった経緯をもっているのか、どんな環境に生きているのかという紹介をしたいと思う。

↑詳しくはそれぞれの過去記事にあれこれ書きまとめているので、ぜひ読みあさって欲しいのだが、ここで特筆すべきは

・20歳差である
・事実婚カップルである
・ともに会社を経営している

の3点だろうか。

改めて書いてみると、いないわけではないだろうが、正直どれも一般的ではないなと感じる。果たして、誰かの何かの参考になるのだろうかと末恐ろしくもなるが、大きく括れば2人の人間がどうやって協力していくのかという話なので、すべてのカップルにとってかすりはするだろう。

2.20歳差

年の差を感じることは、最近あまりない。
こんなこと言ったら怒られるかもしれないが30代に突入したころから自分も老いを感じる。ちょっと経理でもして画面を見ていればすぐ目は霞むし、おでこは少しずつその領土を広げているし、脂身の割合は増加の一途を辿っている。

もちろんシワの数も白髪の数も違うから、身体的な意味であっこの方が先に行っている感覚はあるのだが、それでも差を感じないのは、その感性に似通ったものを感じるからなのだろうか。
ともに経営している雑貨屋の仕入れでときめくものはほぼ同じ。音楽を聴いていても、映画をみていても、お互いが感じたことを話しているとまるで仲の良い友達と過ごしているかのように感じる。

3.事実婚

彼女との間に何か役割を通した関係性である時間が少ないこともその要因の一つかもしれない。
僕たちが事実婚という形をとる理由の中に”それぞれが自立した人間である”という価値観に基づいた点がある。いわゆる、夫、妻、〇〇家の△△といった現代の婚姻において生まれる社会的な役割を紙面上でもたずして、パートナーシップを続けることにしている。
婚姻届を出したとか、結婚式をあげたとか、指輪をしているとかそういうことが生み出すパートナー感というものも確かにあるが、僕たちは何よりも、2人の人間の意志と対話をもとに繋がり続けることに挑戦している。

朝起きて、今日もまた彼女とともに過ごす1日を欲しているのかどうかを自分に問う。その1日がつながっていった先に一生添い遂げることがあるかもしれないし、ないかもしれない。しかし、それが自然なことのように思える。

4.共同経営

加えて僕たちは、同じ会社を一緒に経営している。
従業員は2人。
そういう意味では、2人の間にあるもののひとつに仕事がある。
でも、それも同じように、どんな仕事を行いたいかは、日々日々の僕たちの意志による。意欲がなくなれば会社も真っ先に倒産するだろう。
住んでいる家がそのまま事務所になっており、また、家の目の前に運営している雑貨屋もあるので、ほぼほぼ毎日を同じ空間、時間にて過ごしている。

以前はそんなのぜっっっっっっったいに嫌というか無理だと思っていた。
四六時中一緒にいるなんて、退屈と鬱屈でおかしくなるだろうと思っていた。しかし今は、一人で旅をしていた時よりも自由を感じている。

その変化については書き進めた先に、語る日と出会えると思う。

5.まとめ

20歳差事実婚共同経営カップル、ざっと、そんな感じだ。
そもそも信条にしていたことや、自分たちが経てきた葛藤について書かれていた本書を目にした時に感動したことを覚えている。

何よりも、カップルというものに答えはない。
強いていえば、常に相互に協力し合いながら、自分たちらしさを作り続けることなのではないだろうか。
今日のところの僕らのこの形も数年後には何か変わっているかもしれない。
でも、そんなオリジナリティあふれるものがポコポコと生まれていった先に、より多様で面白味のある文化や価値観のある社会が生まれていくのではないかとワクワクする。

あなたの2人を聞く日も楽しみだ。

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