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【読書記録】Missing新装版13とその想い出
Missing13 神降ろしの物語〈下〉 (メディアワークス文庫)
甲田学人作品との出会い
私は甲田学人先生の本が好きだ。
初めて出会ったのは中学校の図書館。
そこにはMissing全巻と断章のグリムの既刊分(確かめんどりまでだったと思う)が揃っていた。
初めは表紙の雪乃さんに惹かれ断章のグリムを手に取った。
恐ろしいまでの痛みの描写、狂気、童話への解釈など、多感な時期の私はすぐ虜になった。
断章のグリムはまだ続刊しており、新書も手に入り易かったので本屋を探し求めた。
完結までリアルタイムで追うことができて本当によかった作品の1つだ。
蔵書は実家にあるため今は手元にないが、帰省時などに再読し改めて感想を書きたい。
しかしMissingは当時既に新書で入手するのが難しく、諦めながら図書室で借りて読んだのを覚えてる。
Missingはデビュー作ということもあり、断章のグリムのときよりも甲田学人先生の原液がこれでもかと盛り込まれていた。
幻想的な質感、読んだあとは思わずシャワーやベッドの下が怖くなったホラー描写、そして魅力的な登場人物が織り成す物語。
イラストレーターさんの原作の理解度が高い挿絵と、原作の魅力をさらにアップする精緻なカラーイラストに惚れ惚れした。
今までに読んだ本のなかで一番好きなシリーズになり、その後10年以上様々な本を読んだがそれは揺るぎなかった。
どうしても手元に欲しいと探し続け、古本屋で見つけたときは新書で買えない悔しさとそれでも欲しいという葛藤でいっぱいだった。
結局購入はした。
学生のときは何度も何度も読み返し、とても幸せだった。
数年後、Missingの新装版が出ると発表された。
やっと正式なルートで買えること、そして加筆修正があるということでとても喜んだ。
イラストレーターさんが変わるということだけが少し寂しく思ったが、新たなビジュアルの空目さんもとても素晴らしかった。(十叶詠子先輩は旧版が好きです)
発売が告知されるとすぐに予約したし、発売日当日はソワソワして仕事どころではなかった。
続編の刊行にあたって雲行きが怪しいと甲田先生のツイートを拝見した際はとても不安になったが、それでも13巻まで発売することができて一安心した。
これも多忙な中丁寧に執筆してくださる甲田先生と、シリーズを大切にしてくれるファンの皆様のおかげだな.......と今はファンの方々と踊り明かしたい気分だ。一緒に買って布教してくれてありがとう...!!!
13巻の感想
長すぎる回想はさておき。
本題の感想を。
ネタバレしかない。
Missing新装版13巻、本日発売です!
— 甲田学人 (@gakuto_coda) November 24, 2022
皆様のお陰で完結まで出す事ができました。有難うございます。全編ブラッシュアップ、大きく加筆修正も入っています。電子書籍も同日発売。
よろしくお願いします!https://t.co/MVU82yGACj
>大きく加筆修正も入っています。
思ってたよりガッツリ加筆あったな。
そもそも第1巻の発売時点でテクノロジー面や表現などの修正は行うという旨の発表があり、それに伴い初めて手に取った方でも違和感がなく、現代により馴染みやすくなったと思う。
新装版は<機関>周りが特に描写の変更があり、旧版では少し人間味があった彼らから情がバッサリ削ぎ落とされより事務的に、機械的に、都市伝説的に描かれていた。
個人的には旧版の<機関>の在り方に馴染みがあったので少し驚いたが、研ぎ澄まされたエージェントはかっこよかった。
他にもニュアンスが少し変わっていたりなど、新装版から入った人にはわかりやすく、旧版を読んでいた読者は違いを見つけて楽しめる、そういった内容になっていたと思う。
13巻の加筆部分は、それまでの修正とは全く別物と言っていいかもしれない。
以下の内容に不満はないので安心して欲しい。
あるのは、ただのオタクの感謝である。
見たかった描写の加筆が多い!!!!!
旧版は割とラストバトル(空目・あやめ・村神vs十叶詠子/武巳・小崎摩津方vs神野陰之)が見どころが多いが描写自体はあっさり目だったように思える。私は旧版の決着好きなんだけど!!!!!
新装版はとにかく濃い。
行間を読みすぎたオタクの夢?ってぐらい展開が盛られ、旧版とは結果は同じだが過程が大きく違っていたと言っても過言ではない。
十叶詠子先輩のオタクなので、十叶先輩に関しての過程は個人的に旧版の方が好みではありますが、新装版の展開も普通に好きなので色んな展開が読めて幸せだなあと。
(旧版は村神くんにのみ刺されており、その際の血が脳にいかないと〜みたいな文が何故か好きだったんです。十叶先輩の異質性とかを当時の私は感じたのかもしれない)
オタクは五体投地で感謝する次第です。
小崎摩津方さんと武巳くんのバトル周りも加筆があり、旧版とは違った味わいになっててニコニコしました。小崎摩津方さんかっこいいよね。
あやめちゃんもとても凜としておりやっぱり彼女は強いなあ...と。
冒頭の供犠としての生活の描写が少ない彼女目線でのお話なので改めて読むことができて良かった...。
空目さんの「その献身には報いてもいい」って旧版にあったっけ?書き下ろし?記憶があやふやですが............私は空目さんとあやめちゃんの関係は、これが全てだなと胸がじんわりとした。ありがとう。
13巻で一番好きかもしれない。
空目さんと村神くんの加筆、アツすぎてびっくりした。
え?少年ジャンプ?
村神くんがパレットナイフを「連れて来た」ってのがいい........。
範子ちゃんの件は村神くんの1つの転換点だったと思うので、それが綺麗に収まったなと。
本懐を遂げる想いは美しいですよね。
ノロワレ3巻、幽霊マンション、そうだよな?な?
ラストの亜紀ちゃん稜子ちゃん武巳くんのシーンも旧版とは印象がすごく違っててよかったですね。
旧版だと事件後は一切関わらずに亜紀ちゃんがみんなを大切に想ってたということも伝わらないままお別れしたようなニュアンスだったのですが、新装版のラストは離れていても例え返事がなくても想いが通じているという希望があるような終わり方でとても良かったです。
あとノートの切れ端.......これ村神くんだったりしませんか?
芳賀さんたちが警告を出すならもっと堅い書類を寄越したり物理的に処理されそうなものですが...。
これはただのオタクの妄想です。願望か。
黒い服と赤い服の男女、旧版の頃からこの終わり方は本当に大好きです。
登場人物の未来が幸せでありますように。機関の皆さん、みんなを消さないで...(弱いオタク)
最後に
旧版の終盤シーンに愛着のある皆様には申し訳なく思います。ただ、こちらの方が当初の構想に近いものです。そして、どうせなら読んだ時にびっくりしてもらおうと考えて、宣伝では「加筆修正」という表現に留めていましたが、実は終盤は修正ではなく丸ごと1から書き直しています。
— 甲田学人 (@gakuto_coda) November 27, 2022
読了後に甲田先生がTwitterで当時のことに触れられていました。
た、大変だ...。
また、終盤の展開についても読んだときはびっくりしましたが私はどちらの展開も好きです。
令和のこのご時世に好きな作品を改めて読めて一読者として大変幸せでした。
ありがとうございます。
夜魔はもう電撃文庫版があるのでそちらの新装版は難しいかもしれませんが、
もし手を加えて出版することがありましたらぜひ購入したいと思います。
Missingも夜魔も断章のグリムも黒い童話の夜もノロワレも幽霊マンションも霊感少女は箱の中も大好きです。
体調等に気をつけてください。
次回作も楽しみにしてます。
なんか甲田先生へのラブレターみたいになってしまった........こんな辺境のnoteを読まれてしまったら恥ずかしすぎる。
ファンレター書きますので!!!!!!!!!
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— メディアワークス文庫 (@mwbunko) November 24, 2022
『Missing』
コミカライズ連載決定‼️
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🔽月刊コミック誌「電撃マオウ」https://t.co/3uObXoePAi
続報は、本ツイッターで随時お知らせします。
乞うご期待ください✨ pic.twitter.com/B5IekrWY1q
な、なんだって〜〜〜!?!?!??!!
オタク、生きような!!!!!!