男業界で女が働く困難・根性で乗り切ろうとして潰れた女の答え
男ばかりの業界で、一人、女営業マンとして仕事をしていた時期がありました。
例年、新入社員は先輩からクライアントを引き継いで仕事を学び、新規クライアントを掴むための足掛かりにする流れがあったのですが、「女だから扱い方がわからない」と私だけ除外されてしまいます。
クライアントを引き継げないということは、営業の目標額に対し全くのゼロの状態から達成を目指さなければならないということでした。
当然、目標額も勤務時間も夜通し現場に入ることも、現場に必要な荷物の搬入も男性社員と同じようにこなしていました。小さい物件から徐々にクライアントを掴み、リピーターを掴みました。
男性営業マン達と同じように、お酒好きなクライアントとたまに飲みに行っただけで、「女はいいよな。女は得。酒を飲めばクライアントを掴める。」とあらぬ噂を立てられていました。
現場管理は男性でも体力的に厳しいものでした。発熱し、食欲がないまま何日も現場に入り続けることがありました。少し休んで回復を待ちたいと願ったこともありましたが、人手不足でしたし、これだから女は面倒、使えないと思われたくて気力で乗り切っていました。
「“女だから甘えてる”と思われたら、なんて言われるかわからない。」
どこが限界で、どこまでが甘えなのかわからない状態でした。私は強い。自分でもそう思っていましたし、社内でもそう見られていました。
「根性があればどれだけだって耐えられる。」
不満も不調も自分の気力次第でどうにでもできると思っていました。
私は育った環境から精神的に不安定だった時期がありました。
☆ 【毒親育ち】息苦しい幼少から、体調に異変を来す高校、大学まで
☆ 【毒親育ち】就職結婚・祖父の死と親戚が揉めるまで(ブログに飛びます)
社会人になって落ち着いたように感じていましたが、忙しくて自分を見られていなかっただけで、形を変えて進行していました。
それは酒への依存とパニック障害という形で現れました。
☆ アルコール依存症の原因は精神不安?依存症を脱するまでの実例
☆ 電車でパニック障害・発症と自然寛解例
アルコール依存もパニック障害も、発症しているときは自覚が殆どありませんでした。アルコールはただ「好きだから」と思っていましたし、パニック障害は厄介な症状で辛かったのですが、自分の体がおかしいとは思っていなかったのです。
私が「自分は弱いところがある」と自覚したのは、結婚して医師から環境を変えるよう求められて退職し、精神的に落ち着いてからのことでした。
子どもができ、警察官のママ友ができました。そして彼女からある話を聞きます。
「警察も男性社会そのもの。最近は女性警察官が増えてきているけど、女性がこなすには厳しいことが多い。私も男性に負けないように頑張らなきゃいけないと思っていたけど、先輩の女性警察官に言われて気づいたことがあったの。
『あなたが無理をすることで、後輩の女性も同じように無理をしなければならなくなるのよ。』
そう言われて、無理なものは無理ときちんと言わなきゃいけないと分かったんだ。」
それを聞いたとき、“男性社会で働く女性の答え”だと感じました。
後輩女性営業は、私が退職して少しして「仕事がキツイ」と退職しました。
噂など気にせず、主張するべきことを主張していれば、私は体を壊して退職する必要はなかったかもしれませんし、後輩女性営業もそうだったかもしれません。
「男性に負けないように頑張らないと」と思っている方へ。
頑張り方を間違えないでください。
体力で男性に劣るからといって、女性が人として劣るわけではありません。体や精神的な特性に合わせ、できること、セールスポイントが変わります。
自分らしい働き方を忘れずに。
無理は続きません。自分を大切にしてくださいね。
☆ 働く女性のストレス・男性社会で生きるために必要なこと
☝私が男性ばかりの業界で味わった、腹の立つ経験を書いています。笑
毒親、精神不安、子育て、セックスレス、自死関連の経験を元にした記事から、横浜の情報やテレビ番組のレビューなどをブログに書いています。
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