胃腸炎とは【今日の医学 vol.2】
胃腸炎とは、胃・小腸・大腸に生じた炎症のこと。
胃や腹部の痛み、吐き気、下痢など。
一過性のものが多く、「急性胃腸炎」ともいう。
大きく分けると2種類ある。
◆ウイルス性胃腸炎
・主な原因は、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなど。
・ロタウイルスやアデノウイルスによる、
乳幼児(生後6か月~2歳)への感染が多くみられる。
・感染ルートは、感染者の嘔吐や便を触った手や飛沫。
・食物感染は、貝類が多い。汚染された二枚貝を十分に加熱せずに発生。
・ノロウイルスは、少量でも感染力が強い。
・ロタウイルスは、アルコール消毒が効かず、
85℃以上の熱湯か次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が必要。
・秋から冬にかけての流行することが多い。
・症状は、3日~1週間続く。
・ロタウイルスは、白色の下痢が出る。
・回復後1週間は、便などにウイルスが含まれている可能性があり、
2次感染に注意。
◆細菌性胃腸炎
・サルモネア菌やカンピロバクターが主な原因。
・カンピロバクターでの感染が多め。
・生肉を使っての調理や十分に火が通っていないと発生する。
・夏に発生しやすい。
胃腸炎のウイルスに対する特効薬は、存在せず、
治療・予防方法は、対症療法が中心となる。
〇安静にする
〇手洗い
〇脱水症状を避ける(一気にではなく、こまめに)
〇食中毒の一般的な予防方法
〇整腸剤の内服
特に、高齢者や乳幼児は、下痢による脱水症状を起こしやすく、
水分が取れない場合は点滴が必要となるので、注意が必要。
下痢を止めすぎるのは良くないので、
一時的な処方はあるが、下痢止めは推奨されていない。
以上。
参考: