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植物園通いの振り返り 11月

十月桜が咲いていた。

十月桜

今年は秋と呼べる気温の日が短かった。
11月に入ってからようやく過ごしやすい日があったけれど、植物にとってはどうなんだろう。
植物は気温や湿度やそのほか色々、それぞれが自分に必要な条件がそろったときに花を咲かせたり実をつけたりするけれど、暑すぎる夏、なかなか寒くならない冬が巡っていくとどうなるのだろう…ということを考えた。

桜林の北側にある柑橘類エリアでは、良い感じに実をつけてきているものがちらほらあり、そろそろみかんを食べたい季節も近づいているな…とぼんやり思っていた。

温州みかん 宮川早生
ハナユ
八朔

なんとなく食欲の秋である。

植物生態園の南ではイチョウが地面に広がっており、銀杏の独特のにおいも充満していた。

イチョウが沢山落葉している
銀杏 地面いっぱいに落ちていた
とてもくさい

銀杏は量が過ぎると中毒になるので食べ過ぎに注意だが、そもそもイチョウはこの実のにおいが強烈なために食べられることが少なく、太古の時代から生き延びてきた…という言説をどこかでみた。さもありなん。
しかし堅い殻の中のところは食べられるのでは……と考えたヒトもなかなかすごい。

食べられないけど植物生態園の中でみたトキリマメがとてもきれいで、これは見惚れた。

トキリマメ

温室は高山植物室から中庭への扉が解放されていたので、そちらも久しぶりにその空間を楽しんだ。
静かな中庭にはカナリーヤシや木生シダが植えられている。

カナリーヤシの葉
バランティウム アンタルクティクムの葉

午前の光の中で大変美しく見えていた。
この場所は温室の中でも目立たず、わざわざ来る人が少ないのでお気に入りの場所でもある。静かでよかった。

11月も下旬になると紅葉する葉も早いものが色づいてきて、緑の中に目立つ赤、橙、黄色などをみて楽しんだ。

シラキ
ぽつんと紅葉するヌマミズキ
イロハモミジは株によって色とりどりという気配

展示では大覚寺の伝統的な菊が出張展示されていた。

大覚寺で保全している菊 御所錦
茶筅のように花が咲くのが特徴
大覚寺の菊 御所の春

蕾の状態から展示が始まっていたようで、展示のことには気づいていなかったのだが、ちょうど開花しているところを見られて良かった。

この秋のギンメッキではこの写真が気に入っている。

脱皮後と思われるギンメッキゴミグモ

脱皮が近づくと巣の構造を変えるらしいのだが、どうもそのような巣に見える。その上ギンメッキ本体のさらに上のほうに脱皮殻と思われるものも見えるし、脱ぎたてかわからないが、脚の色もやや薄くみえる。
気に入ってスマホのホーム画面の壁紙にした。

この巣の形状が絶妙なおかげでスマホの画面が割れたかと度々錯覚することになるとはこの時には思っていなかった。
まぁでもお気に入りのギンメッキを常に見られるのでヨシ。

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