3杯目 今日はココアでどうでしょう?

さぁ、今日も良い天気。何をしようかな。

そんな毎日が今日も始まる。

朝ご飯には炊き立てご飯と、お味噌汁。
お味噌汁は何にでもあう魔法のスープ。
世界が誇るMISO soupだと思っている。

炊き立てご飯を大きい口で、1口ぱくり。
そこから噛んでは出る甘みをじっくりと味わい、
味噌汁で流し込む。

これはどうにも最高の文化だと思っている。

そこからしばらく朝ごはんを楽しむ。
自分のために作り、食べる朝ごはん。
ゆっくりと体内に染み込ませていく。
「うん、今日も良い日だ。」

朝ごはんを済ませた後は、けしごむはんこを彫っていく。
かれこれ10年はやっている。
立派にはんこ作家だ!と言いたいけれど、いつまでも永遠にあまちゃんである。

困ったもんだ。


私の部屋は1階にあるので、作業をしていると、
通りを行き交う人が見える。

「おーい、何してるの?」
近所に住むおさんぽ中の親子が顔をのぞかせる。

「今日ははんこを彫ってるよ。」

「そう。」

「何か飲む?」

「良いの?」

「良いよ。今淹れるから待っていてね。」

冷蔵庫を確認すると、期限間近な牛乳があった。
「今日はココアにしよう。」

お湯を沸かし、ピュアココアの粉を鍋に入れる。
「なんだか今日は後からまた増える気がする。」

多めに作ろうと、ココアの粉は大きなスプーンで、1杯、2杯と入れていく。

砂糖もお好みで入れていく。
「なんだか今日は寒いから、ちょっと甘めにしよう。」

ココアの粉に続いて、砂糖を鍋へ入れる。

パチン。湯沸かしポットのお湯が沸いた。

まずはココアと砂糖の入った鍋にお湯を少々入れる。
ここでしっかりと練るのが、きりん堂流のココアだ。

しっかりと練り上げたら、やっと牛乳の登場だ。
一気に加えると、牛乳とココアは仲良くなれない。
少しづつ加え、練ったココアと混ぜていく。

牛乳を加えては伸ばし、加えては伸ばしをしばらく経て、
作りたい分だけ牛乳を加える。

それから鍋を火にかける。
火にと言っても、うちはIHである。

「牛乳が幕を張らないように、丁寧に。」

沸騰すると、牛乳が幕をはり、風味は台無しになる。
スプーンで混ぜながら、様子を見る。
この時は鍋のそばから離れられない。

湯気が出てきたところで、火を弱める。
しばらく様子を見て、今度は火を止める。

「できた。」

2人分のココアをカップに入れる。
1歳になる娘さんには無添加お菓子を持っていく。
アレルギーにも対応できる、きりん堂。
私は昔保育園で給食を作っていたこともあるのだ。

今日は軒先にイスを出し、いつものリアカーを出した。
温かいココアをカップに入れて、両手で包み、暖を取りながら、一口ずつ味わっていく。

「あったかいね。」

その一言が冬の醍醐味でもあると感じる時がある。
温かいものの力は凄まじい。

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