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【響け ~ La mia voce ~】ろう難聴者のこえ

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軽度難聴・教員の立場から感じたこと・考えたこと、日常のちょっとした出来事を綴っています。
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#聴覚障害者

Vol.9 その時 歴史は動いた!Part3 「口話〜発語編」

その時、歴史は動いた! オトナになってから入った「大学」で知った、衝撃の事実について、いくつかのトピックを立ててお送りします。 Part3は、「発語(発音・発声)」「言葉」についてです。 (私自身は、ろう学校に通ったこともなければ、専門機関にて熱心な口話教育を受けた経験もありません。“口話”それ自体に賛否両論があることは承知で書いています) 手話、口話、音声を使う人…など、聴覚障害者のコミュニケーション方法は、個々によって様々であることは、これまでに幾度なく、お伝えして

Vol.9 その時 歴史は動いた!Part1「声が響いた」

私は、社会人を経験してから、26歳の時に大学生になりました。 現役で入学した子たちよりも、8歳お姉さんだったけど、年下のカワイイ同級生ともフツーに楽しく過ごせました。 オトナになってから入った「大学」で、初めて知った、数々の衝撃事実について、いくつかのトピックを分けてお送りします。 今回は『声が響いた』 をお送りします。 私は、これまで、フツーに話す人の声が聞き取りにくいために、相手に聞き返したり、聞こえたふりをしたりして過ごすことが多々ありました。 自分は「聞こえに

Vol.8 「聞こえるとか…聞こえないとか…」聴覚 “ショウガイシャ” について

私事ですが、つい先日のこと、 補聴器の耳栓部分(イヤーモールド)が壊れてしまい、大慌てで補聴器屋さんに駆け込んだのです。 かれこれ6年程使ったので、両耳とも新しく作り直すことになったのですが…この、ちっこい砂利石みたいなもの。なんと、これが 1個 1万円  するのです! 「オーダーメイドだから致し方がない…」と、わかってはいるけど、ため息がでてしまう私をよそ目に、二人の諭吉さんは揚々と旅立っていきました。 さて、話は戻りまして… 私は、音や言葉を聞き取るために補聴器をつ

Vol.5(2/2)聴覚障害者の「情報支援」について

「情報スムーズ化ツール」 について、以下、それぞれの一長一短をまとめます(私見、ですが !!) ■「字幕」 「字幕」があると、話し「言葉」の聞き取れなかったことを「見て」すぐに理解することができます。 しかし、字幕は「文字情報」という記号に過ぎないので、 話し手の「感情や抑揚」「他人の気持ち」「大事なところ」をそこから読み取ることは、かなり難しくなります。 テレビのニュースなど、単に「情報を得るだけ」の場合は、 特に差し支えないのですが、講演会や学校の講義など、話者が「

Vol.2 聞こえる人たちがもつ「聴覚障害者のイメージ」から「当事者の障害認識・表現力」へとつなげる

皆さんは「聴覚障害者」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか? 例えば「テレビドラマ」や「映画」などを通じて、 聴覚障害者は「耳が聞こえない」「話せない」「手話を使う」といったイメージが、多くの皆さんにあるのではないでしょうか? しかし、近年は、人工内耳の進歩によって「話せる聴覚障害者」も増えている現状にあり、聴覚障害者の多様化が認められるようになってきました。 ひとくちに『聴覚障害者』といっても、以下に示した組み合わせによって、様々なタイプがあります。 *専