輪島で出会った「親切」の力 - 災害ボランティアを通して学んだこと
9月、記録的な大雨に見舞われた石川県輪島市。住宅の浸水被害が相次ぎ、街は傷跡を残しておりました。そんな輪島で災害ボランティアに参加させて頂きました。数百年続く農家の手伝いが主な活動内容でしたが、その中で「親切」の力を実感しました。
輪島市は、以前にも地震に見舞われており、今回の水害によって「もう人が住むところではない」とおっしゃる方も少なくなかったと伺っております。農家の方々も廃業を考えたとのことでした。しかし、ボランティアの力、そして地域の人々の温かい支援によって、今も懸命に復興に向き合っておられます。
デイビッド・ハミルトン著『親切は脳に効く』では、親切は相手を助けるだけでなく、自分自身にも大きなプラスの影響をもたらすことが書かれております。
親切は、脳内に「オキシトシン」と呼ばれる幸せホルモンを分泌させます。 オキシトシンは、幸福感やラックス効果をもたらしてくれます。さらに、親切は免疫力の向上、アンチエイジングにも効果があるんだとか。つまり、自分自身を心身ともに健康にする効果があるのです。
本書には、さらに印象的な言葉がありました。
確かに、自分が親切な行動をすることで、相手を助けるだけでなく、自分の心も満たされるということは、日々の生活の中で忘れがちです。
しかし、輪島で出会った方々は、自分のことよりも、周りの人々のことを考え、手を差し伸べておられました。そして、その行動は、彼ら自身にも喜びを与え、生き生きと若々しくさせているのです。
「親切」は単なる自己満足ではなく、自分自身と社会全体を豊かにする力だと思います。
災害ボランティアは、決して楽なものではありません。しかし、その経験を通して得られるものは計り知れません。
助けが必要な人に手を差し伸べること、そしてその行動を通して生まれる喜び。それは、自分自身の幸福感だけでなく、社会全体を明るく照らし出してくれるでしょう。
最後に、少しでも多くの方に「親切」の力について考えるきっかけになれば幸いです。