飽きるまでは終わらない
「言い争いが絶えない人」が先日いらっしゃいましたので、それについて書いてみましょう。
その方は60歳台の女性。「家族(たぶん旦那さんと思われます)とやり合って腹を立てることが多い。他人とはうまくやっていけるのに…」と相談を持ちかけてこられました。
人間関係の「もつれ」って、滅多に会わない人との間には生じない。8割以上が、一緒に住んでいる家族間ではないですか?近い存在だからこそ「こうしてほしい」「こうあるべきだ」「こうするのが当たり前」という期待や欲求が強くなる。
相手が思い通りにしてくれないときは、言い争いになって、どちらかがキレたり、口を閉ざしたり。お互いが「自分のほうが正しく、相手は間違っている」と確信?している。
さて、その女性。「もう家族同士で、いがみ合うのは懲り懲り。腹を立てるのはやめて、こころ穏やかに過ごしたいのです」と言う。
それに対して、つい口をついて私から出てきた言葉がこれ。「まだ、言い争いが足りてないから、もめるのでしょう。夫婦げんかもやり尽くしたら、飽きてきてやらなくなりますよ。『やめたい、やめたい』と言いながらも、これまで口論してきたということは、争うのが好きな性格ではないですか?」。それを聞いた本人も、横にいた妹さんも、図星なのか大笑い。
「○○をやめたいのですが…」と相談してくる人には「やめようなんて思わずに、飽きるまでガンガンやったらどうですか」とアドバイスすることが多いです。大抵のことが「やり尽くさないと、やめられない」ですから。
私自身、争いは好まないし、口論などもしたくないと思っているから、もめごとに巻き込まれることは、ほとんどありません。これは、人格円満だとか「人間ができている」というよりも、過去の人生で、ずいぶんとやり尽くしてきたから、今回はやらないだけ。そういう気がしています。
でも、派手な口ゲンカなど、してはいけないかというと、そうでもない。言いたいことは言うべきだと思っているし、「人と争わない」ことにこだわっているわけでもありません。もめるときは、そういうご縁があって、もめるようになってますから。