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ポテトを揚げた


夜10時。夕飯を食べるのを諦めた私の胃がぐ、と音を立てた。

そもそも、昼ごはんが遅かったので夜はいいかな〜〜。と思ってだらだらと過ごしていたのが原因だ。

夜10時。何かを食べるには少し遅いし、食べずに寝るにはまだ早すぎる時間だ。

紅茶、コーヒー、春雨スープなど液体でお茶を濁す作戦を取るのが私の定番だったが、その日の私は気づいてしまった。野菜置き場にころりと転がる食品は、いったいいつ買ったのだったか……。

何日置いたか忘れたじゃがいも。6個で100円とか。

じゃがいも、死にかけだ!!!!??

使わなければならぬ……。と私の中で誰かが呼びかけているような気がした。それは食欲に負けた訳ではない。食材を捨ててはならぬという義務感からだ。(じゃあしょうがないね)

ポテト、昔からあるよね。

ポテトが好きだ。地元には昔、イトーヨーカドーの食品売り場の横に〝ポッポ〟というフードコートエリアがあった。

昔は、母らが買い物をしている間に子供達と保護者でポッポで暇を潰すのが定番だった。

特に一番好きだったのは〝山盛りポテト〟だ。これがとにかく量が多い。(ラーメンプラカップいっぱい)しかも安い。(当時200円とかだった気がする)

昔からポテトと共に生きていた。貧しい学生時代もじゃがいもがあればポテトを作り、3キロ太った。(しょうがないね)

そして今、死にかけのじゃがいもを救うべくポテトを揚げる……。

ポテト、揚げる。

ポテトを揚げる工程はとても簡単。

①じゃがいもを切る。
②小麦粉をまぶす。
③揚げる。
④塩をまぶす

完成!

死にかけのじゃがいも(芽が生えてるということは生きようとしているから、死にかけというより土に戻ろうとするじゃがいもというべきかもね。)、芽が生えまくっていた。

じゃがいもの芽、毒性があるのでしっかり取ろう。腹痛嘔吐、下痢症状が出るよ。今回は放置していた自分が悪いので、しっかり芽を取って自己責任で食べていくよ。

学生時代に死ぬほどあげたので、体が揚げ方を覚えていた。

わ〜〜〜い

ポテトができた。おいしい。おいしい。

気がつくと、皿の中には数本しか残っていなかった。ポテト、食べやすくて無くなってることに気がつかないんだよな。

こうして、じゃがいもを救出した私は健やかに眠るのだった……。

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