映画『ウィッカーマン』
映画 『ウィッカーマン』自体は最近初めて鑑賞し、アリアスター監督の『ミッドサマー』制作のその元になるような作品という触れ込みでした。 しかし、作品に込められている思いの濃さから言えば、『ウィッカーマン』の方が遥かに高く、画面の隅々、セットの内装や小道具の作り込み、モブの服装や髪型までが、まんべんなく不気味さを醸し出す事に成功していました、 『ミッドサマー』よりも露骨にワイセツな描写があったり、またそれを土着信仰として受け入れている人たちの表情や生活スタイル、 歌われる歌の内容などすべて完璧に"気持ち悪い"と言っていい世界観で、それを意図的な演出と考えると最高でした。
例えるなら、片田舎にある、個人が作った秘宝館のような不可知な不気味さに近い気がします。
マーティン・スコセッシの『シャッターアイランド』のような、孤立した島でのミステリー要素というのもありますが、 やはり何よりもこの街で行われている生活や人間の考え方そのものが怖いというタイプのホラー作品でした。