グランドピアノのある家
お庭作りしてる?
していないし,出来るわけがない。
そもそも暑すぎてやる気すら起きない。
こんにちは!きりぎりすです。
お忙しい日々の貴重な時間をありがとうございます。
前回のテーマに引き続き,
今回もドイツのお庭を見て思った内容を
記事にしていこうと思います。
ひとつ前のテーマは「塀」でしたが,
今回は「家と庭」についてです。
というよりも,
もはや私の憧れた理想の部屋について
と言った方が良いのかもしれませんね。
あと,
今回は夏だし盆だし
「本当にあった怖い話」風に話してみることにします。
(もうずっと敬遠しているため,覚えている範囲で。にはなりますが)
怖い話が苦手な人もいると思いますので,
釈明させていただきますと,
先に言いたくて言っただけで,
中身は一切怖くないです。
でも「本当にあった」はStimmt(正しい)です。
とあるおうちのお庭
これは本当にあった話です。
私はあの年の夏,
ドイツで暮らしていました。
それが私にとって初めての夏だったから
色々なことが新鮮で
逆に知っているものを探す方が難しかったんです。
そんな時に,
とあるお家に招待してもらいました。
(ドイツのおばあちゃんの親戚の家)
そのおうちには
広ーい広ーい
お庭があって,
何だかよくわからない果物がなっていたり,
綺麗なお花が咲いていたり
していました。
それを見た私は
なぜか急な既視感に襲われたのです。
それは,
私がまだティーンエイジャーで
友達と「青春」をしていた頃の話でした。
私の理想の一室
これは,
美術が好きなのに不得手だったという
何とも言えない地獄を過ごしていた時期の
唯一覚えている課題です。
私は信じられないくらいに
水彩画などの絵の具を伴う課題が
苦手でした。
原色でなければ,
どんなに簡単と言われる色も
自らで作り出す事が出来ないのです。
しかし,
この課題は色鉛筆でした。
その上で内容は,
「透視図法」を用いた絵画を制作すること。
当時の私はまだ知らなかったのです。
自分が今までに見たことのなかった
理想の一室を
私の手で描き上げてしまうなんて。
その授業があったのも
暑い夏のことでした。
ただ今ほどではなかったのか,
クーラーではなく扇風機で夏を越していました。
つまり,
美術室の中には風があったのです。
加えて,
木に囲まれていたから日陰だし,
人数も少なかったので
風の通り道がありました。
今までの自分がどんなだったか信じられないほどに
私の手はすいすいと作画を始めます。
まるでもうすでに見たものを描くかのようでした。
出来上がった絵には,
薄水色の壁に囲まれた長方形の部屋で,
短辺側にありったけの大きな窓が設置してあります。
その外側には緑が生い茂る,
けれども手入れされたお庭。
その内側には黒く光るグランドピアノ。
そこから,
私の立っている場所に向かっていく順番に
ソファ,
大きなダイニングテーブル
大きくてフワフワの腰掛けがあるのです。
もうその絵は
捨ててしまったのか,
どこを探しても見当たりません。
けれどあの,
薄水色,濃い緑,光るような黒を
メインに構成された一室を
今でも鮮明に思い出せるくらい
覚えているのです。
それはいわゆる,
「無意識」領域に保管されていたのだと思います。
ずっと頭のどこかにはあるけど
思い出すことはない,
という状態でした。
そんな中で,
ドイツのおばあちゃんが
親戚のとあるお家に案内してくれたのです。
そこは
子供が多くいる,もしくはいたという
大きな家族からすると小さいけれど,
夫婦二人で住むならば
十分な広さという
とてもドイツらしいお家でした。
「この家だよ」
と紹介されたときに,
「なんてかわいらしいんだろう」なんて
のんきな感想を持っていた自分に
「もっと集中せえよ!!」と
言ってやりたくなるのは,
これから起きる出来事をもう知っている
○○○リベンジャーズだからですね。
そして中に入って,驚きます。
これが私の理想の家だ。
何であるの?
まさにまさにこれでした。
もうこれ以外に思ったことを忘れたくらいには
これでした。
信じられないほど整理された家は
物が多すぎないだけではなく
少なすぎない。
家全体からこれまでの思い出を感じられる。
けれども,混沌としていない。
部屋は長方形になっていて,
大きく開けた窓の前には
さっきまで弾いていたのではないかなと思われる
グランドピアノ。
そしてその先には
私の理想の一室をそのまま投影したかのような
自然のお庭。
怖いなー怖いなー
と正直に申し上げて,思いました。
最初は何かしらの「違和感」でしかなかったのに,
それが確信に変わった瞬間に
私が当時苦手だった美術内での課題で
頭よりも先に手が動くような感覚が
唯一得られた理由を,
その後に
この光景を見る運命にあったから
かなと思ったのです。
なんだこの結局説明がついていないような
精神論は!
と突っ込みたくなるのですが,
まさにそうだったわけです。
理想の一室を描いてから,
それまでの時間の中で
「住」環境に対する優先順位が
かなりの速度で暴落していました。
けれどこれを機に
私の深層心理において家のことを,
「寝られればなんだって良い」
とは考えていないんだと分かったのです。
千と千尋の神隠しでいう
オクサレ神が本来の姿を取り戻した瞬間のような,
眉毛の手入れをする際に
綺麗に痛みなく毛を抜く事が出来た時のような,
そんな感情でした。
Am Ende
結局,こんな不思議な経験をしたのが
生まれてはじめてだったから
説明をすることが本当に難しいのですが,
私はやはり
あの家を
あの一室を
作らなければならないのだな
などという謎の使命感を得る事ができ,
これからの人生が
さらにさらに楽しみになりました。
そういえばこちらを,怖い話風に読み進められましたか?
私自身怖い話をテレビで見ることは
「家族と一緒なら」という条件付きで
好きでしたが,
その台本を書くのは
大変なことだと初めてわかりました。
さて,今日の素敵言葉!
え?
もしかして私の人生見てた?
と驚くくらいのことが,
既に先達によって発言されていました。
(まあちょっと時間軸が違うかもしれないけど)
今回私は幼い頃から恋焦がれた
ドイツに住む事が出来ている。
その上で,
あの時描いた「理想の一室」にも
なぜか分からないけれど
出会う事が出来た。
まだまだ未来に希望をもって,
今までの自分全部で
これからを創り上げていくぞーー!!
最後まで読んでくださり,誠にありがとうございます。
では,またお会いしましょう!
Auf Wiedersehen!
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