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相続税を左右する!株式の評価方法をざっくり理解しよう
東京都江戸川区船堀から、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
今回は、相続税や事業承継において重要な「株式の評価」について、初めて相続手続きをする方にもわかりやすく解説します。
株式の評価は相続税額を左右するため、正しい理解が必要です。
詳しく知りたい方は、税理士にご相談ください。
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上場株式の評価方法
上場株式の評価は、公平な市場で取引されるため、評価方法は比較的シンプルです。
次の4つの方法のうち、最も低い価額を選んで評価します。
相続開始日の最終価格
相続開始月の毎日の終値の平均額
前月の毎日の終値の平均額
前々月の毎日の終値の平均額
このように、上場株式の評価では相続税負担を軽減するため、より低い価額を用いることができます。
非上場株式の評価方法
中小企業などの非上場企業の株式評価は、より複雑です。非上場株式は市場での取引がないため、次の4つの方法を用いて評価されます。
・類似業種比準方式
上場企業の株価を基準に、配当、利益、純資産額の3つの要素を比較して評価する方法です。
・純資産価額方式
会社の純資産価額を基に評価します。純資産価額とは、会社の資産から負債を差し引いた金額のことです。
・併用方式
類似業種比準方式と純資産価額方式を組み合わせた方法で、中規模企業に適しています。
・配当還元方式
過去の配当実績に基づいて株式の評価額を算出します。この方式は、少数株主が株式を相続する場合などに適用されます。
非上場株式評価のポイント
非上場株式の評価は、相続税の負担を抑えるために非常に重要です。
特に、事業承継が関わる場合は、適切な評価を行うことで、後継者が過度な税負担を負うことなく事業を引き継ぐことができます。
類似業種比準方式の具体例
1株あたりの評価額は、類似業種企業の株価や利益、配当を基に計算します。
計算式は複雑ですが、簡単に言うと、上場企業の株式価値を参考にして自社の株式を評価する方法です。
純資産価額方式の具体例
会社の資産価値に基づいて株式を評価する方法で、資産の時価を用いて計算します。
事業規模が大きくない企業に適した方法です。
配当還元方式の具体例
直近の配当実績を基に1株あたりの価値を評価します。
この方法は、株式を所有しているだけで経営に関与していない少数株主に適しています。
株式評価の選定基準
非上場株式の評価方法は、会社の規模や株主構成によって異なります。
会社が大規模であれば類似業種比準方式を使い、逆に小規模であれば純資産価額方式が適用されます。
また、少数株主の場合は配当還元方式がよく用いられます。
同族株主(親族などで30%以上の議決権を持つグループ)の場合、併用方式や純資産価額方式が適用されることが一般的です。
同族株主でない場合には、配当還元方式が主に使われます。
株式評価が相続に与える影響
株式の評価方法によって相続税額は大きく変わります。
特に、事業承継が絡む場合、適切な株式評価を行わないと、相続人に過度な税負担がかかり、事業運営に支障をきたす可能性があります。
専門家のサポートを受けながら適切な方法を選ぶことが重要です。
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まとめ
今回ご紹介した「株式の評価」は、相続税計算や事業承継において重要な要素です。
上場株式の評価は比較的簡単ですが、非上場株式は評価方法が複雑です。
特に、中小企業の株式評価においては、税理士などの専門家のアドバイスを受けながら、最適な評価方法を選択することが成功の鍵となります。
もしご自身のケースにどの評価方法が適用されるのか疑問がある場合は、ぜひ専門家に相談してください。
この内容が少しでも参考になれば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。