【1】切り絵　ねこの門

人々が足を止めてる
青白いとまどい
畏怖の顔が　うつむいて

絞り出た声　視線が後ろに逸れる
引き返す人の波　沖の向こうに
寝そべるねこ

黄色く光る　ふわふわとした　温かい毛並みが　
地に刺さり　現れ魅せる門

一度や　二度じゃない
幾度となく　くぐってきた
その門は　新しいことが始まった証

気張らずに　リラックスして
ただ流れるように　いつの間にか　門をくぐれたら

仰々しい姿は　まぼろし
求められる覚悟も　まぼろし
ほんとは　誰だって　当たり前に通れる　そう思うのに

怖いからって　落ち込んだり
勇気出そうって　なけなしの　力ふり絞ったり
空回りするけど

止まれないことも知ってて
じゃあ　考えるのやめよって　いうのも　出来なくて

だからって　このままじゃいけないって
慌てるよりも　まず
自分の力で止まれるようになること

それで　少しは　落ち着ける
冷静になれる

いかに　早く　前へ進む力より
自らの意志で　その場に　踏みとどまれる力を持つことが
自分を　最も　守れる方法だから