スウィンギング・ロンドン|massaging capsule《1》|翳りを纏うアームコルセット
『BIBA スウィンギン・ロンドン 1965-1974』に掲載されている活き活きとした図版の数々の中でも、とりわけ心を撃ち抜かれたのが、サラ・ムーンの撮影した、宵闇から浮かび上がるような、いや反対に溶け込んでもいるような少女の肖像です。
巻き毛がかかる額、20年代を思わせる黒いアイメイク、ボルドー色の口紅、大きな瞳の物憂い眼差し、何よりもゴスへの系譜にも繋がるそのアンニュイな仄暗さが衝撃でした。それまでは漠然とポップでミニマムなイメージだけを持っていた60’sモードのこ