諏訪大社参詣

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五歳になった長男の七五三のお参りに諏訪大社（下社秋宮）へ行く。

諏訪大社は長野県諏訪市及び下諏訪町にある日本で最も古い神社の一つ。大きな神社で諏訪市に上社春宮と上社秋宮が、下諏訪町に下社前宮と下社本宮の四宮がある。大社と名がつくのは他に出雲大社、熊野大社、春日大社等々（調べてみたら沢山あった）。数え年で七年に一度、寅年と申年に行われる御柱祭（おんばしらまつり）が有名で、寅年の今年もお祭りが行われた。

私自身が40年ほど前、五歳の七五三のお参りに諏訪大社（上社）へ行っている。写真でしかほとんど記憶がないが、実家にその時撮った写真が飾られてあり、長く飾られていたので私の人生の原点のような記憶になっている。

新潟へ越してきて1年半。折角近くに来たのだからお参りに行きたいと思うようになっていた（埼玉に住んでいた頃には遠くて考えられなかった）。

連れあいは今一つ賛成せず、地元の神社でお参りしたら良いじゃないと言い続けた。その反対を私が押し切る形で参拝したせいか、家族写真を撮ろうということにはならなかった。

まあそれも一つのエピソードかなと思う。これで諏訪大社の神様が長男を護ってくれるだろうから、それが大切なのだと思う。次男の時にはどうしようかと考えるが、以下に述べる通り家では神様が喧嘩しかねない状態になっており、うまくバランスを取らなければならないと思う。それも信仰の問題なのだけれど。

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実は前回、六年前の御柱祭に来ている。当時長女が二歳。ちょっと遠出しても良くなった頃で、連れあいと家族三人でお祭りを見に来た。その娘は三歳と七歳のお参りに埼玉・浦和の調宮（つきのみや）へ行った。

以下、やや罰当たりなことを書くかもしれない。日本には八百万の神がいて、信仰するのには良いかもしれないが参拝するのには困る。信心深くなく転々として生きている私などは「栃木なら東照宮！」（徳川家康を祀った神社。私は栃木出身）とはならず、神道信仰もないのでその時々で思うところ、信ずるところへ参拝に行くことになる。

大まかにいえば国譲り神話で日本の国を譲った「国津神」と譲られた「天津神」がいて、つまり西暦で言えば0年から200年頃、中国・近畿地方の豪族の中から天皇家が勝ち残り、国を支配する正統性を記すために日本書紀が編纂された。勝った側を天津神とし、負けた側を国津神として「国を譲る」神話が作られた。

今回、気になったので調べ直してみたら、諏訪大社はタケミナカタ（建御名方神）を祀り、タケミナカタはオオクニヌシ（大国主）の子で、そのオオクニヌシはスサノオ（素戔嗚尊）の子で、日本という国を作ったとされ、出雲大社に祀られている。

オオクニヌシの作った「葦原中国」（アシハラノナカツクニ）に、新興勢力である（渡来人ともされる）「高天原」（タカマガハラ）のアマテラス（天照大神）がタケミカヅチ（建御雷神）を派遣し（後に言う征夷大将軍のようなもの）、タケミナカタと争い（戦争をして）タケミカヅチが勝った。敗れたタケミナカタは諏訪に封じられ、オオクニヌシは出雲に封じられたという。

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判官贔屓の私はタケミナカタで良いじゃない、諏訪大社が良いな、と思う。そしてタケミナカタ（＝諏訪大社）がオオクニヌシ（＝出雲大社）の子であることに安心し、国津神の方に詣でようということで納得して（神社で初めて）首を垂れることができた。それはいわば反・天皇家≒反体制ということになるのだろう。私の父母が当時諏訪大社にお参りに行った理由は単に近くに住んでいたからだと聞いているが（父の転勤で諏訪市田辺に住んでいた）、偶然にも私自身の政治信条はアナキズム――anarchismでコスモポリタニズム――cosmopolitanismである。

連れあいの実家の信仰は詳述しないが、神棚を覗くとオオクニヌシもアマテラスも祀ってある。今回諏訪神社（＝タケミナカタ）のお札を貰ってきたのでオオクニヌシの方に捧げ置いたが、長女の時に調宮から貰ってきたお札は、ややこしいなと思いつつアマテラスの方に置いておかなければならない（浦和の調宮はアマテラスと共にトヨウケビメ（豊宇気毘売神）を祀っており、トヨウケビメは古事記に登場する媛神（ヒメガミ）で、アマテラスに仕え食物・穀物を司る）。

家の神棚の中で二つの勢力が争い出しかねない状況になっており（相撲の絵を飾るなどすると良いのかもしれない）、実家の信仰を整理しなければならないとは思わないが、ちょっと由来などを訊いてみたいと思っている。

#諏訪大社 #御柱
参考
大社
https://ja.wikipedia.org/wiki/大社
オオクニヌシ
https://ja.wikipedia.org/wiki/大国主
タケミナカタ
https://ja.wikipedia.org/wiki/タケミナカタ
建御名方神
https://discoverjapan-web.com/article/42031
タケミカヅチ
https://ja.wikipedia.org/wiki/タケミカヅチ
トヨウケビメ
https://ja.wikipedia.org/wiki/トヨウケビメ
調宮
https://ja.wikipedia.org/wiki/調神社
葦原中国の平定
https://www.kankou-shimane.com/shinwa/shinwa/5-0/index.html