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野いちごと蛇いちご

野いちごと蛇いちごは同じようでじつは違う。その違いは「味」にある。
種類にもよるが、野いちごはみずみずしい爽やかな甘味があり蛇いちごはザ・その辺の草というような雑味がするという。
ぶっちゃけどちらも食べたことがないし存在すら忘れていたのだから、私も歳を取ったんだなぁとつくづく身にしみた。

事の発端は、note朗読でお世話になった黒澤伊織さんのエッセイだった。

野イチゴを食べたことはあるだろうか。貴婦人のような、とまで言いたくなるような気高い香りと、驚くほど芳醇な甘みの詰まった、あの小さな赤いを。

「野苺」より抜粋

最初は「黒澤さんの住んでいるところって野いちごって呼び方するんだぁ」と思って「私の地域だと蛇いちごって呼んでいました!」とコメントした。
要するに【野いちご=蛇いちご】と思っていた。野いちごだろうが蛇いちごだろうが呼び方が違うだけで、指してるものは同じだと思っていたのだ。

ところがググってみると、野いちごにもいろんな種類があってその中に蛇いちごがいるということを知った。
そもそも、黒澤さんが指している「野いちご」と私が指している「蛇いちご」はてんで違っていた。

蛇いちごは実家と祖父母の庭にそれぞれ自生(?)していて、私もよく見知っている植物だった。血色不良の唇みたいな青紫色をしていたと記憶している。母から「食べてはいけない」と教えられていたので、名前の通りなんだなというのが第一印象だ。
ところが最近の蛇いちごは血のようにあかく染まったが多い。所詮画像検索でしか見ていないけど、如何にも毒々しそうな自生植物は過去の産物になったのかどうかも分からなかった。もしかしたら私の記憶違いかもしれないし、なんなら写真すら残っていないのだ。
やろうと思えば荒れ果てた庭に入って蛇いちごを確認することはできるが、生憎母も私もガーデニングを趣味にしていないので今も蛇いちごが自生してるかどうかは不明だ。

話を「野いちごと蛇いちごの違い」に戻そう。

「野いちご」というのはバラ科の植物で山野さんやに自生するいちごのようなをつける植物全般を指す。その中には蛇いちごも混ざっているという。
もっと詳細を調べてみると「貴婦人のような気高い香りと驚くほど芳醇な甘み」を持った野いちごももちろん存在する。その代表格がもみじいちごだ。

「野いちごの中で最も美味」とされるもみじいちご。
ただそれは赤くなく、すっきりとしたオレンジ色をしている。みずみずしさはあるんだけど…やっぱりなんか違う。

野いちごって、意外と奥が深い。
あと蛇いちごって食べられるんだ…

身近にある植物だからこそ知らなかった。
ガーデニングは趣味じゃないけど、今度道端で見かけたら写真撮ろうかなと興味を持つのであった。

でも車移動メインだから案外見かけない。ポケモンGoしても見かけない。
やっぱり庭を探検してみるしかないのか?

インドアのジレンマが誕生した瞬間であった。

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