忘れないでいてくれてありがとう
スマホが鳴った
前の職場でお世話になった方の名前が表示されている
突然の休職中にも心配して時々連絡をくださった。
一昨年の年末にご挨拶に行き、それ以来だから1年半ぶりの電話だ
こんな時、良くないことを想像する
どうかしたのか?、誰かに不幸でもあったのか?
「もしもし?」恐る恐る電話に出る
『お元気でしたか?』
「はい、◯◯さんもお元気ですか?」
『何とか生きてる(笑) 元気なら良かった、ご無沙汰してごめんな』
不幸の電話では無さそうだった
元気だったか?彼氏は出来たか?と質問が続く
元気にしている、出会いが無いから彼氏はいないと伝えると「そうか、そうか」と笑う声に緊張が解けていく
在職中、この方のプライベートの飲み会に何度か参加した
もう少し落ち着いたら少人数で集まるから出ておいで、とのお誘い
プライベートの集まりとはいえ、職場に物申して辞めた私が参加するのは中には不愉快な人もいるだろうから遠慮する、と伝えると、もう辞めたんだしそんな事思う人はメンバーにはいないと言ってくれる
ずっと気に掛けてくれていたのかと思うと有難い
他愛ない話しに「あはは」と笑うと『それそれ、その声を聞くと元気が出るよ』と言ってくれる
母と同じくらいの年の方だけど、プライベートでは敬語を使わず話させてもらっていた
近い距離感が喜ばれていた
「暑いからね、ぼちぼちだよ。もうお互い若くないからね(笑)」と言うと
『おいおい(はいはい)、予定が決まったらまた電話するから。のーこさんも元気でな』
食事になるとマスクを取るから、まだまだ悪あがきしなきゃなぁと思う、そんな夜だった。
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悪あがきはこんな感じで始まりました。
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