御裸イ坂〜哀捨てNOTE 020/小説+詞(コトバ)
♪掌のぬくもり
手をつなぎ歩いた道
君の家までの帰り道
もう二度と来ない道
また愛し尽くせずに
別れを言い出したのは僕
なのに掌が覚えてる
君のぬくもり
言葉に出来ない想いが
せつなく募る日々
メールを送り 少しは
伝えられたはずだった
けれどまた想い途切れた
「ねぇねぇ、それって、こないだ別れちゃった女のHiToのこと?」
「うん」
「なんで、すぐに想いが途切れちゃうの?」
「愛が、欠如してるのかな…」
「ていうか、なんで自分の気持ちを素直に言えないの?」
「シャイだから」
「でも、好きだったんでしょ?」
「うん」
「だったら、好きだと言えばいいじゃない。気持ちをぶつければいいじゃない」
「それが出来れば、こんなに同じことばかり繰り返したりしないよ」
「まあね。あなた、かなり人生損してるよね」
「キツイことを、アッサリ言うね」
「だって、もったいないよ。HiToを愛せないんじゃなくて、自分に自信がないんじゃないの? シャイとか言ってるけど、ヘンなプライドが高いだけなんじゃないの? 捨てちゃいなさいよ、そんなもの!」
「HiToのことを、よくそんなにズケズケと言えるよね。しかも、ズバズバと言い当ててるし…。知り合って、まだ間もないのにサ」
「そんなの、すぐわかるよ。甘ったれちゃん!」
「ムカツク!」