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御裸イ坂〜哀捨てNOTE 021/小説+詞(コトバ)
♪掌のぬくもり 02
二人きり歩いた道
楽しいひととき帰り道
もう僕は来ない道
とりとめのない話に
腹を抱えて笑いころげ
ふと立ち止まり くちづけした
愛のぬくもり
二度と戻らない二人の
想いが詰まる日々
君がくれたメールを
一つ一つ消して行く
その指が戸惑っている
二度と戻れない この道
二人歩いた道
メールの文字は消えても
消えない君のぬくもり
掌はまだ覚えてる
戻らない愛のぬくもり
きれいな海を見下ろせる、眺望豊かな喫茶店『哀捨てノート』。
ご存知のとおり、當は、その店で雇われマスターをしている。
急に、私が入院してしまい、病名も何も聞かされないまま、店を任されてしまったからだ。
とはいえ、戸惑いながらもなんとかやっているところをみると、當には合っていたのかもしれない。