御裸イ坂〜哀捨てNOTE 047/小説+詞(コトバ)
♪許されない愛 02
今 出逢ったのは
出逢わせたのは
二人の運命と決め込み
奪ってしまえと 何度も囁く
声に、負けてしまいそう!?
抑えなければいけない この激情
囁きのその声は僕! 悪魔じゃない
と、冷静でいられる僕もいる…
何故出逢ったのか?
出逢わせたのか?
それこそ運命と決め込み
奪ってしまえと 僕が囁く
けれど、踏み止まっている
抑えなければいけない この激情
囁きのその声は 悪魔だと偽って
激情に負けそうな僕もいる…
ああ…好きになってはいけないHiToを
好きになってしまった僕がいる…
それ以来、沙織の家に行ったことはない。
だが、私は毎日遠回りして、沙織に出逢った道を歩き続けた。
そのかいあって、二日か三日に一度、買い物帰りの沙織に逢うことが出来た。
とはいえ、それ以上の何もなかった。
何も出来なかった。
沙織が、それをさせなかった。
しかし、ただ一度だけ、ほんの一瞬だけ、濡れた瞳で、私を見つめたことがあった。
その瞳に導かれるように、私は一歩を踏み出した。
が、沙織は視線を切り、もう一度私を見て、ニッコリと微笑み、私の横をすり抜け、去って行ってしまった。
私は立ち止まり、しばらく立ち尽くしていた。
まるで、時が止まったかのように…。
そして、二度とその道へ、足を踏み入れることはしなかった。
その一度だけの、その一瞬の瞳に、見つめられただけで充分だった。
その瞬間を、私の瞳に焼き付けたから、そのHiToは、私の心に、いつまでも残り続けるだろう。
事実、今でも私は、その一度だけの、その一瞬を、鮮やかに思い出すことが出来る。
あの瞬間(とき)、私の沙織への恋は、永遠になったのだ。
Eternal Love.
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