むなしさきざむ腕時計 001/映像脚本

【登場人物】
祝峯さくら(シュクミネサクラ)23歳:女。
青中将司(アオナカマサシ)29歳:男。
引越スタッフA:41歳、男。
引越スタッフB:29歳、男。

○ブラックアウト画面に
   スポットライトが射し、祝峯さくら(23)が映し出されるーー腕時計、ネック
   レス、アンクレット、真紅のドレスを身に付けている。
さくら「(独白)濃密な愛を育んでいた あの日々を きざんでくれた腕時計 あなた
 がくれた腕時計 なのに…今はただ… むなしい日々をきざんでる あなたがくれた
 腕時計」
   と、チャイムの音。

○マンションの一室・内
   2LDKのきれいな部屋。
   さくら、玄関へ行き、ドアを開ける。
   青中将司(29)が入って来て、さくらを抱き上げる。
さくら「もう、やめてよォ」
将司「お帰りのチューは?」
   二人、軽く唇を合わせる。
   そのままベッドルームへ行き、さくらをベッドに座らせる。
   将司、胸ポケットから小箱を出し、さくらに渡す。
将司「欲しいって言ってただろ」
さくら「え、何? 私、今日お誕生日? (小箱を開ける)わぁ、腕時計だ! 時間は
 スマホで見れるけど、でもやっぱり腕時計が欲しかったの。(腕時計をつけ)ど
 う?」
将司「さくらの細い腕にピッタリフィットしてて、とってもかわいいよ!」
さくら「ありがとう!」
将司「言葉はいらない。お礼のチューが欲しい」
   さくら、将司の頬にキスをする。
将司「(唇を指し)こ~こ」
さくら「え~!?」
   将司がさくらの唇にキスをし、ベッドに押し倒す。
   ブラックアウト。

○スポットライトが射し
   さくらが映し出されるーー腕時計、ネックレス、アンクレット、真紅のドレスを
   身に付けている。
さくら「(独白)どちらかが浮気したとか そんな明確な理由じゃなくて 別れの潮時
 だったような そんな曖昧な幕切れだった そう…きっと… そのときを乗り越えら
 れたら まだ…今も… あの愛の日々は続いてた そんな…そんな…気がする」
   と、チャイムの音。

○さくらの部屋・内
   さくら、玄関へ行き、ドアを開ける。
   将司が入って来て、さくらを抱き上げる。
さくら「もう、やめてよォ」
将司「お帰りのチューは?」
   二人、軽く唇を合わせる。
   そのままリビングへ行き、さくらをソファーに座らせる。
   将司、胸ポケットから小箱を出し、さくらに渡す。
将司「欲しいって言ってただろ」
さくら「え、何? 私、またお誕生日? (小箱を開ける)わぁ、ネックレスだ! し
 かもこれ、前から欲しかったやつだ! (ネックレスをつけ)どう?」
将司「さくらの細い首にピッタリフィットしてて、とってもかわいいよ!」
さくら「ありがとう!」
将司「言葉はいらない。お礼のチューが欲しい」
   さくら、将司の頬にキスをする。
将司「(唇を指し)こ~こ」
さくら「え~!?」
   将司がさくらの唇にキスをし、ソファーに押し倒す。
   ブラックアウト。

○スポットライトが射し
   さくらが映し出されるーー腕時計、ネックレス、アンクレット、真紅のドレスを
   身に付けている。
さくら「(独白)楽しくて 嬉しくて 笑ってた あの日々を きざみ続けてくれた 
 あなたがくれた腕時計 なのに…それなのに… むなしい日々をきざんでる あなた
 がくれた腕時計」
   と、チャイムの音。

○さくらの部屋・内
   さくら、玄関へ行き、ドアを開ける。
   将司が入って来て、さくらを抱き上げる。
さくら「もう、やめてよォ」
将司「お帰りのチューは?」
   二人、軽く唇を合わせる。
   そのままダイニングへ行き、さくらをテーブルに座らせる。
   将司、胸ポケットから小箱を出し、さくらに渡す。
将司「欲しいって言ってただろ」
さくら「え、何? 今日、二人の何かの記念日? (小箱を開ける)わぁ、アンクレッ
 トだ! やっぱりこれ、メッチャかわいいねぇ! (アンクレットを足首につけ)ど
 う?」
将司「さくらの細い足首にピッタリフィットしてて、とってもかわいいよ!」
さくら「ありがとう!」
将司「言葉はいらない。お礼のチューが欲しい」
   さくら、将司の頬にキスをする。
将司「(唇を指し)こ~こ」
さくら「え~!?」
   将司がさくらの唇にキスをし、テーブルに押し倒す。
   ブラックアウト。

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