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哀捨て iN THE DARK 011/映像脚本+詞(コトバ)

○暗闇の中
   當、陽、育、渚が浮かび上がる。
育「なんだかんだ言っても、アタルさんとヒカリさんて仲がいいですよね」
渚「そうね。この闇は、自分たちが創り出しているものなんだから、お互い
 の顔が見たいと強く願えば、見えるんじゃない?」
陽「そんな、まだ恋なんて…」
當「オレも、また同じことを繰り返すかもしれないし…」
渚「だから、二人の色の光は、私たちのより淡いのね」
陽「それは、私たちの心の傷の方が浅いってことですか?」
渚「いいえ。私たちの方が、明日に向かおうとする気持ちが強いのよ」
當「その気持ちは、僕だって強く持ってますよ!」
陽「私だって!」
渚「そうかなぁ? 恋することに怯えてるってことは、まだ明日を見ようと
 してないってことじゃないかな?」
當「え!?」
陽「そうかもね」
當「ああ…」
   音楽14『ひろがる光』イン。
   四人、歌う。

でも待って!
まわりのけしきも 行くべき道も
見えているのに 見えないふりを
しているだけじゃない?

何がこわいの? 不安なの?
自分に自身が持てないの?
それじゃあ風に聴いたって
わかるわけないし
こたえてくれるはずもない

ここにいる!
ねぇここにいる!
ぜったいここにいるって
さぁ声に出して言ってごらん
風が聴いててくれるから
自分に自信を持てばいい
ほら まっくら闇に 火が灯り
ほら まっくら闇に ひろがる光

育「あ、光が」
當「降り注いで来た!」
陽「四色の光がきれい!」
渚「みんなの顔が見えるわ!」
陽「みなさん、はじめまして!」
當「君が、クレナイヒカリかぁ」
陽「なによ、がっかりした!?」
當「ヨロシク!」
陽「こ、こちらこそ」
育「ナギサさん、ヨロシクです」
渚「こちらこそ、ヨロシクね」
   音楽15『Good Morning Sunrise!』イン。
   四人、歌う。

哀しみの今日を歩き続け
闇夜の海にたどり着いた
渚に座り 潮騒を聞きながら
真っ黒な海を見つめ続けていた

やがて、紅が闇を融かし始めた
見る見るうちに 海を染める紅に
願いを込めた
愛を失くしたけれど
ささやかなこの夢を
この夢だけは叶えさせてと

Good Morning, Sunrise!
哀しみは もう昨日
新たな今日を迎えたから
キラリ☆と光る 紅の海に叫ぼう!

Good Morning, Sunrise!
哀しみに さようなら
今日という日に歩き出そう!
キラキラ光る 太陽が空に昇り行く

陽「太陽の光って、こんなに暖かかったのね!」
當「ああ、眩しいね!」
育「どのくらい闇の中にいたんでしょうね?」
渚「長かった気もするけど、一瞬だったような気もするわね」
陽「そうですねぇ」
陽「でも、よかった。あの闇から脱け出せて」
育「また夢に向かえますよ」
渚「ギタリストになる夢ね?」
育「はい!」
當「オレも、夢を見つけなくっちゃな」
陽「私は、恋することに臆病にならない!」
渚「そうね。私は、もっと自分に自信を持たなくっちゃ!」
育「みんな、友達ですよね?」
陽「そうよ! また逢いましょうね!」
渚「きっとね!」
當&陽&育「はい!!」
   四人、歌う。

哀しみの今日は もう過去のこと
闇夜の海に光が射し
黒く染められた 私にも色が浮かび
波打つ海も はっきり見える

そして、紅がさらに広がり始めた
見る見るうちに 海の青と空の青
鮮明になり
愛に迷った私を
力づけ 励まして
勇気をくれる 希望をくれる

Good Morning, Sunrise!
喜びの今日にしよう!
二度と昨日を振り向かない
キラリ☆と光る 紅を胸に抱(いだ)こう!

Good Morning, Sunrise!
今日の日を楽しめば
きっと明日に出逢えるから
キラキラ光る 太陽とともに歩こう!

Good Morning, Sunrise!
哀しみは もう昨日
新たな今日を迎えたから
キラリ☆と光る 紅の海に叫ぼう!

Good Morning, Sunrise!
哀しみに さようなら
今日という日に歩き出そう!
キラキラ光る 太陽が空に昇り行く

(當&育)「僕たちは、海を見つめた」
(陽&渚)「そして、自分たちの明日を見つめた」
   音楽16『太陽のめぐみ』イン。
   四人、歌う。

海に身をまかせ 波に揺られて
風の吹くまま どこかへ行きたい
どこかへ連れてって
哀しみ色に染められた 心ごとすべて

傷ついた昨日 さすらう今日
見えない明日 光のない闇夜
いつから迷っているんだろう?
どこから迷って来たんだろう?
それよりここはどこなんだろう?
どこにいるのか それさえわからない

帰らない昨日 ただよう今日
なのに明日は 必ずやって来る
いつまで迷っているんだろう?
どこまで迷って行くんだろう?
自ら時間(とき)を止めてしまった
黒く塗られた そんな闇の中を

ナギサ また闇に迷いそうになっても
アタル 今日の日を忘れなければ
ハグ  きっときっと大丈夫!
ヒカリ この暖かい太陽の光を
アタル 二度と失わないために
ハグ  夢に向かって行こう!
ナギサ 明日に歩いて行こう!
アタル 太陽が昇り始める紫の夜明け
ハグ  太陽の光をいっぱいに浴びた青き海、青き空
ナギサ 人々の想いを詰め込んだ桜色の夕暮れ
ヒカリ そして陽は沈み、再び昇り来る、決してクレナイヒカリ
   四人、歌う。

海はやさしくて 波はおだやか
風はささやき ゆっくりどこかへ
運んでくれるから
哀しみ色が消えて行き 自分が見えて来る

傷つけた昨日 さまよう今日
また来る明日 塗り込められた闇夜
迷っていても哀しみは
色濃く深まり 染まるだけ
闇夜を溶かす 朝日のもとへ
自ら歩き 迎えに行かなければ
クレナイヒカリ 太陽のめぐみを
   紫、紅、青、桜、四色の光が四人を包み込む。



                               (終)

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