宅配便日記002-1 出禁遭遇堕恋
みなさんこんにちは、DJメアリです。
これからお送りするのは、一日中、街を走り回り、お客様に荷物をお届けしている、宅配便スタッフたちに、私がアノ手コノ手を駆使して聞き出した話をご紹介する、宅配便日記です。
彼等が、見たり聞いたりしたことを、ギリギリまでぶっちゃけてくれていますので、お楽しみに!
というわけで、宅配便日記002は、出入り禁止になってしまった、ドライバーのスズキさんの話。
題して、出禁遭遇堕恋(だれん)。
堕恋…なんだか、色っぽい話っぽいですよね~。
ではでは、読ませて頂きます。
スズキさんは、真面目で礼儀正しいのに、坊主頭で厳つい顔の、いわゆるコワモテ系。
それが原因かどうかは、定かではないんですが、初めて配達に行った家の女性に、出入り禁止を言い渡されてしまったんです。
スズキさんは、ごくごく普通に送り状の住所のドアの前に立ち、ベルを鳴らし、インターホンに向かって会社名を言い、出て来た女性にサインをもらい、荷物を渡して帰る…そんないつもの作業を、当たり前にこなしただけでした。
それなのに、その女性は、スズキさんから荷物を受け取った直後に会社に電話をかけ、はっきりした理由も言わずに、あのドライバーには二度と配達させないでと一方的に言い、電話を切ってしまったんです。
スズキさんは、コワモテ系とはいえ、今まで、お客様からは、誤配達の連絡が来るくらいで、出禁になったのは初めてだったので、かなりショックだったようです。
そりゃあそうですよね。
思い当たる原因が、何もないんですから。
ところで、スズキさんの配達区域はオフィス街で、土日は荷物が少なくなり、配達するトラックの台数を減らすので、日曜日は休み、さらに平日の水曜日も休みです。
なので、休日には、自分の配達区域で見つけた、気になる店に飲みに行くことが多いそうです。
そんな或る水曜日、スズキさんが、以前から興味津々だったショットバーに、入ってみることにしました。
その店は、大通りを曲がった坂道の中程の、狭い雑居ビルの地下にあり、配達に来たこともなかったので、中の様子がわからず、ちょっとドキドキしながら階段を下りて行きました。
地下には、もう一軒別のバーがあり、どちらの店のドアも黒塗りで、入りづらそうな雰囲気でしたけど、意を決してドアを開けました。
すると、いきなりカウンターがあり、七、八脚の椅子が置かれていて、内装も黒を基調にした、狭いながらも落ち着いた雰囲気の店だったので、スズキさんは、ラッキーと思ったそうです。
まだ早い時間にも関わらず、すでに三人のお客さんがいて、カウンターの中で、ママが一人で相手をしていました。
その顔を見ると、どこかで逢ったような気がして、それとなくチラチラと見ていると、なんと、あのクレーム電話をかけて来た女性だと気づいたんです。
というわけで、今回は、ここまでです。
お別れに、メアリからあなたへ歌をお届けします。
近ごろ巷で噂のシンガーが歌います。
では、お聴きくださいませ。
See You!