詩みたいな【宝物】#シロクマ文芸部
お題「新しい」から始まる物語 & 書き初め20字小説
【宝物】
新しい服がほしかったけど、姉のお下がり。
新しい服を着るとどうしてうれしいのかな。
新しい服はまだ誰のものでもないからかな。
新しい服は私だけを待ってくれているから。
新しい服を着た私を想像すると楽しくなる。
新しい服は青いワンピースに水色のリボン。
新しい服に似合うクツとカバンも揃えるの。
新しい服を着た私は新しい私になるのかな。
お下がりの服に私は水色のリボンを付けた。
お下がりの服が少しだけ新しい服になった。
お下がりの服を着て鏡の前に立ってみると。
お下がりの服だけど新しい私に見えてくる。
お下がりの服が私だけのものになったから。
新しい服もお下がりもどちらも私の宝物☆。
おわり
(2024/1/5 作)
小牧幸助さんの『シロクマ文芸部』イベントに参加させていただきました☆
ひとつの詩(みたいなもの)ですが、一行ずつ20字小説になってます。
次女(末っ子)なので、子どもの頃はお下がりが多かったですが…
瞼の裏に残っているのは、イチゴの刺繍が付いたワンピース。
あれは買ってもらえたのか、ただ欲しいと思っただけなのか…
今となっては曖昧ですが、記憶の宝箱に入っております。
(*´ω`*)
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