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掌編小説【きらきら】♯毎週ショートショートnote
お題「メガネ初恋」
【きらきら】(410文字)
いつもの道を散歩していたら、『メガネ初恋』と書かれた小さな眼鏡屋がOPENしていた。パッと見はカフェみたいだけど。
ちょうどシニアグラスを作りたかった私は店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ」
カフェエプロン姿の店主が現れた。
「眼鏡屋さんですよね?」
「はい。眼鏡も扱うカフェなんですよ」
へぇ、それは新しい。私はカウンターに並べられている眼鏡を見て回る。
シンプルでセンスのいいものばかりだ。
私は華奢なデザインの赤いフレームに目を止めた。
「あら素敵」
「よくお似合いですよ」
コーヒーを飲む間にレンズを入れてもらう。新しいメガネにうきうきしながら私は店を後にした。
しかし数日経つうちに、よく見えるだけではないことに私は気づいた。
そのメガネをかけて見る写真や絵、読む本から受ける印象が普段と全然違うのである。
それはまるで…そう、初恋に心ときめかせていた頃のように感じやすく、世界がきらきら見える感覚。
『メガネ初恋』思春期に戻れるメガネ、ね。
おわり
(2023/4/2 作)
『たらはかに』様の4/2~4/9のイベントに参加させていただきました☆
わたしもこのメガネをかけて、もう一度清らかな心に…
それにしても、ン十年酷使した目がマジ見えない(;・∀・)やばー
心に愛、目には目薬…
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