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ふたりぼっちでクッキーづくり🍪 ┊︎はじめての巻┊︎


ママが外へ用事を済ませてくる間、
妹と2人で、お留守番しながらクッキーを作ることにしました。

ママがいる間に、準備をしっかりしました。
まずは、アレルギー対応のレシピ探し…
そして、材料を机の上に並べます。
(わたしは立つことができないので、ママがいる間に 立たなければ出来ない準備をお願いします。)

一つだけ、つまづきました。
アーモンドプードルが なかったのです。
どうしよう!って焦ったけれど
代用品を調べて、
片栗粉でいいと書いてあったので、
片栗粉を用意しました。

うん、準備バッチリ!
エプロンだってしちゃいます。

パパがよく言っています。準備8割 と…(だったような…)
準備がしっかり出来ていれば、成功したも同然だと言っていた気がします。

だから、ちゃんと準備しました。
これでもう成功は確定です!

ママが、
「じゃあ行ってくるからね(*´︶`*)ノ」

はい、行ってらっしゃい!気をつけてね〜ヽ(*'▽'*)ノ
と、のんきに送り出しました。

妹と、さあ始めよう!
るんるんで、作り始めました。

粉を入れて、液体を入れて…こねて…
ここまでは超順調です。サイコーです。

ここで、わたしはひらめきました。
そうだ!焼くんだから、オーブンを予熱しなくっちゃね🪄︎︎

妹よ、こねててくれるかな?姉は今のうちに予熱してきますからね…(くるくる椅子でオーブンまで華麗に移動しました)

さ、160度で…、予熱開始、

「バチンッッッ!!!!!」

何故か部屋中の電気が消えました。

妹が
「あーあ、全部きえちゃったネ」

とつぶやくのが聞こえます。

ブレーカーが落ちたのです。

ブレーカーが、落ちたのです。

…ブレーカーが…

この家に、立ち上がれる人は1人もいません。
届きません。
ていうかブレーカーを見たこともありません。
見える位置にありません。

…えっ???

妹が言います
「ストーブ、消えたね」
「寒いね」

…えっ???

「クッキー、どうするの?」

…えっ???

とりあえず、ママに連絡をしました。
情けない…けど、暗いのも寒いのも、
何よりクッキー生地が待ちぼうけなおかげで、
生地がベッタベタになってきたのも、
怖すぎたのです。

暗い部屋で、ベッタベタのクッキー生地を手に
ただ佇むだけ…

準備、頑張ったのにな…
パパ言ってたのに、準備できたらもうこっちのもんだって、言ってたのに…
全然だめだったんだな、わたしの準備は…

もう限界、もう作れないよ
と半べそのわたし

クッキーを伸ばす棒がない!
と、くるくる回り出す妹

あーあ、妹が回りだしたらもうおヤバいのです。
棒がないとしきりに叫んでいます。

もう終わりだ…と思ったその時!
「バチンッ!!」
でんきがつきました。
ママです!
「もう電気ついた?ストーブ消してオーブンしてよ?じゃあママ行くから…」
え待って待って、ちょっと怖いから1回握手してよ…と握手してもらう私。
その横で妹が
「クッキー伸ばす棒は???」

「伸ばし棒?ナイナイ、カビてたから捨てたよ」

ママが去った後、
2人で一生懸命、ベッタベタになった生地を
何とか押して伸ばしました。

あんまりにもベタベタになってしまって、
粉をちょっと足してみたりもしました。

形を抜く時、ちょっとケンカしました。

でも何とか、焼くことが出来ました。

洗い物も後片付けも頑張りました。

もうクッタクタ…
でも、でも、いろいろあったけど、すっごく楽しかった。
何より、この後おいしくクッキーが焼き上がれば、もう全て良しです!

いもうとと、レモネードを飲みながら、
優雅に焼き上がりを待ちました。

•*¨*•.¸¸♬︎
焼けた!
焼けたと同時にママもかえってきました。

さあ食べよう!

そのクッキーは、あまりに固くボソボソでした。

言葉もでません。

妹は一口かじって、逃げてしまいました。

ママは、「瓦せんべいみたいでおいしいよ」
とガリガリ食べていました。

わたしは何とか、声を振り絞って
「アーモンドプードル、なかったから…」
「片栗粉にしたから…」
「でも、楽しかったから…」
と、呟きました。

瓦せんべいのようだというクッキーを、もはやしゃぶりながら、ママは言いました

「アーモンドプードル?冷蔵庫にあったよ?」

明日もいい日になるといいです。

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