ナルコレプシー5

再びあっちゃんの「無意識によるリスカ」は始まってしまった。

あっちゃんは自分の悪口、友だちの悪口なんて見たくない。知りたくない。それなのに、お姉ちゃんがあっちゃんを心配して毎日掲示板を見ては、あんなことやこんなことが書かれてる!気を付けて!と言ってくる。

そして結局は見てしまい、勝手に傷付いてはリスカを繰り返した。

それを知ったやっくんは、とても心配してくれて「あんなの見たらダメだよ!」と言っては、ときにはステージからジェスチャーで手首大丈夫?」と心配してくれた。

とてもありがたかったけど、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

やっくんが写真集を出すことになり、集まった関係者の人たちにメイド服を着ていたあっちゃんは、友だちと2人、サイン会が始まる前に、報道用として引っ張れらた。

そして、あっちゃんがやっくんと握手している画像が、その日のやっくんのブログに載った。

「記念だね」と、やっくんはニッコリ笑った。

やっくんのブログにファンが載ったのは初めてだった。そしてなぜかそのことに関しては、なにも叩かれることはなかった。


やっくんを夢中で追い掛けていたあの頃が、まるで昨日のよう。

当時、高校生だったハルルンはもう30歳過ぎの立派な自立したイイ女になった。(笑)

見た目は変わっても、やっくんへの愛情は変わらない。ハルルンは自分で運転しては、やっくんのお墓参りや亡くなった事故現場のすぐ近くに植えられた桜の木にちゃ~んとご挨拶に行っている。

あっちゃんといえば、1度も訪れたことがない、

やっくんが消えてしまったことを、認めるだけの勇気が出ない。

来年の春にはあっちゃんのエッセイも文芸社さんから発売される。

やっくんに読んでもらえるように、お墓にお供えしてもらおうかな?

今はもう、辛いことより楽しかったことだけが思い出される。そして、やっくんになにより感謝することは、素敵なお友だちをたくさんプレゼントしてくれたこと!やっくんがいなくなってしまった今でも繋がっている!

ナルコレプシーとわかってからできたお友だちばかりだから、みんな病気に理解あるし、優しくしてくれる。

心の底から感謝だネ!

やっくんに元気をもらったあっちゃんは、ヴィジュアル系バンドへの復活もしたのだ。

もう解散しちゃったけど、「メガマソ」と再スタートをした「摩天楼オペラ」(^^♪

しかし、笑ってばかりはいられなかった。ナルコレプシーは確実にあっちゃんの頭の中をむしばんでゆくのだった。

 つづく・・・


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