
社会はなぜ子どもを望むのか?#06時事編〜チャイルドフリー〜
社会はなぜ子どもを望むのか?今日は「チャイルドフリー」という言葉を紹介します。
チャイルドフリーとは
自らの選択で子どもを持たないこと。
ポジティブな選択として、子どもを持たないこと
それぞれの辞書で表現は異なりますが、「選択的に」子どもを持たないという点では、共通しています。
コリンズ辞典では、「ポジティブな選択」としていますが、これは他者が子どもを持つことに対しては肯定的な面や子どもを持ちたいが持てないケースは含まないからだと解釈します。
チャイルドフリーと反出生主義
反出生主義とは、人が生まれてきたこと(誕生)と新たに人を生み出すこと(出生)を否定することです。
反出生主義については、こちらで考察しているのでよろしければどうぞ。
チャイルドフリーと反出生主義は、結果的に「子どもを持たない」という点では共通しています。ただ両者は比較対象にならないと考えます。
なぜならチャイルドフリーは個人主義的、反出生主義は集団主義的だからです。
反出生主義を論じたショーペンハウアーやベネターは共通して人間が生まれてきたこと(誕生)を否定します。自分自身が生まれてきたことではなく、人間が生まれてきたことを指すのは集団主義的ではないでしょうか。
一方でチャイルドフリーは、個人の選択として子どもを持たない信条です。以下のBuzzfeedではチャイルドフリーの人々の言葉が載っています。ほとんどがあくまで個人の選択であり、他者に求めるものではないように思います。
子どもを持つ持たない以外の選択肢
これまで私は子どもを持つ持たないの二項対立では、説明しきれない立ち場があると思っていました。
例えば、子どもを持たない人の中でも、子供は欲しいが授かれない人、選択的に子どもを持たない人など。
そこで見つけたのがミシガン州立大学のザッカリー・P・ニール、ジェニファー・W・ニールの研究です。
人口動態がほぼアメリカ全土と同じ、ミシガン州で子どもを持つことに対する立場を調査したものです。
この調査にあたる分類は、以下のとおりです。
子どもがいる(Parent)
将来子どもを持つ予定がある(Not yet parent)
チャイルドフリー(Childfree)
子どもを欲しかったが、持つことができなかった(Childless)
子どもを持つかどうか決めていない(Undecided)
子どもがいてもいなくてもいい、無関心(Ambivalent)
この分類はよく言語化されているので、これを参考に私の研究のなかでの分類や立場の違いを明確にしていきます。
まとめ
チャイルドフリーとは、選択的に子どもを持たないこと
チャイルドフリーと反出生主義の共通点は、結果として子どもを持たないこと
チャイルドフリーと反出生主義の違いは、個人主義か集団主義か
子どもを持つ持たないの分類の中にもさまざまな立ち場があるので、整理が必要