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【読書感想文】あなたの人生、片づけます

垣谷美雨さんの「あなたの人生、片づけます」を読みました。

垣谷さんの本を読むのは、「姑の遺品整理は、迷惑です」以来、2冊目になります。

片付け屋である大庭十萬里が、片付けられない4人の家を片付けていく話です。

両親が物を捨てられてないタイプなので、既視感があるわ〜と思いながら読みました。

社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、一部屋だけ片付いた部屋がある主婦…。

「部屋を片付けられない人間は、心に問題がある」と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら汚部屋を綺麗な部屋に甦らせる。
この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!

文庫背表紙の紹介文より

作者の垣谷さんは、片付けられない人の心理をよく分かっていると思います。

この作品には、年齢も性別もバラバラな片付けられない人が登場します。
置かれている環境も職業も違いますが、片付けられない理由は似たところがあります。

・使っていないが、いつか使うかも。と思って物を捨てられない
・思い出の品を捨てると、思い出まで捨てる気がして手放せない
・物が溢れ過ぎていて、片付けをする気にならない。行動に移せない

あるあるだよな〜と思いながら読みました。
かつての自分がそうだったので、片付けられない登場人物の気持ちはよくわかります。

結局、物と自分の感情は繋がっているので、感情を整理できないと物を捨てられないんですよね。

この作品に登場する片付け屋の大庭十萬里は、上手く感情の整理を促していきます。
家族の協力を仰ぎ、時には近隣の住民も巻き込みながら。

私も親に片付けを勧めていますが、なかなか上手くいきません。
大庭十萬里みたいな人がいれば助かるな、と思いました。


作品の中で、娘が片付け屋に依頼し実家を片付けてもらう話があります。

「お母さんが死んだあと、整理が大変なんだからね。要らない物は元気なうちにさっさと捨てておいてくれなきゃ困るわよ。」

娘は親にきつく言いますが、なかなか片付けてくれません。
親からすれば、捨てるなんてもったいないという気持ちや、いつか子供たちが使うかもという考えがあるかもしれません。

でも、大抵の物は子供たちにとって必要ないですし、大量に物を残されると処分にとても労力がかかります。
最終的に捨てるのは、残された家族なのです。

この辺は難しい問題です。
頭では分かっていても、なかなか実践できないと思います。

私の両親に読ませたいと思った一冊でした。
片付け本が好きな方にはおすすめの小説です。

ご覧いただきありがとうございました。


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