恋愛における予防線
私たちは恋愛の要所要所で怖がっている。
だからはじめから予防線を張るんだ、
いなくなったらイヤだから。
いつか相手を失くすことで
過去の恋愛みたいにまた傷つくのが嫌だから。
そんなの耐えられない
大切な相手を失くすくらいなら
だったら初めから
できるだけ相手に入り込まないようにするんだ
それに、なんか相手と
同じ熱量じゃないと悲しいしカッコ悪いじゃん?
だから会えなくても大丈夫、
仕事も忙しいし
趣味も充実してるし
飲み会も多くてキミだけのことかまってらんないんだよね
とか言いながら
ほんとは失くしたくなんかなくて
そばにいてほしくて
すきって言ってほしくて
他の異性に笑顔向けてるのなんか見るとムカっとしちゃうし
けどいい噂を聞くと「でしょ?」なんて思ったり
バランスなんて最初から全く取れてない
だから不意打ちですきとか言われちゃうと
にやけちゃうし
名残惜しそうにされると抱きしめちゃうし
背中を見たら追いかけて
喜ぶ顔が見たくて
笑ってほしくて
普段なら言わない甘い言葉なんか言っちゃったり
* * *
少しずつ喧嘩も増えて
でも信頼関係も増して
なんとなく
この人は自分のことを本当にすきなんだなって思って
安心したり
この人の言葉ならと信じたり
そんな風に日々を重ねて行けたらいいなと思う
とっくにいつか引いた予防線なんて
重ねてきた日々に塗り替えられて
見えなくなってるから
お互いの大切なテリトリーはそのままに
これからも一緒にいることができたら
なんて照れるから言わないけどね