「男もすなるフェミニズム文学」イベント後記と、著者来日イベント
2月9日田原町のReadin'Writin'BOOKSTOREで『韓国が嫌いで』をめぐるトークイベントが行われました。
当日は2階席まで、たくさんの方に集まっていただきました。
(2階席の写真はないのですが、2階席から撮った写真を)
フェミニズム小説ということで、私なりのフェミニズムの定義を。私の考えるフェミニズムは次のふたつ。女も人間ですよ、男と同じです、わかってます?というお知らせと、女性が「女はこうでなくてはいけない」という呪いを解くこと。そう考えると『韓国が嫌いで』は、私のフェミニズムのど真ん中に来る小説でした。
『82年生まれ、キム・ジヨン』との比較として、同級生カップルという設定は男女平等を描くための戦略ではないか。だからケナは、恋人に向かっても読者に向かってもため口だし、これは絶対女言葉にしない、と決めたんです。今回振り切ったタメ口翻訳ができたのは、翻訳協力のすんみさんのおかげです、ありがとう。ケナの声はぜひ、低い声で脳内再生してください。パラサイトのパク・ソダム(半地下ファミリーの娘、ギジョン)の声とかいいですよね、という訳者からの話しを。
登壇された西口さんが「フェミニストの息子です」と話されたのが、とても印象的で、著作を読んでいるのでとても納得しました。
また、西口さんはフェミニズム小説以外に別の言い方をするとしたら「パラシュート小説」とも。「(生きづらくて)引きこもりの人は、この小説から希望を見いだせないのではないか」という参加者の意見ともつながっているように感じます。
長瀬さんからは「ケナは絶望しているけど、諦めてはいない。新たな『絶望』の話」と。
他にも「青春小説」でもあり、「成長小説」でもあり、「ドファサル小説」でもあり。行動力と魅力にあふれるドファサルについても、少しお話しました。
(「○○小説と名付けるとしたら何がいいですか~?」と大喜利を始めたのですが、実はソウルにいる作家との映像通話がうまくつながらずバタバタしていました)
ソウルにいるチャン・ガンミョン作家に、作品の紹介の後フロアからの質問に答えてもらいました。
ー個性の強い主人公はどのように生まれたのですか?
モデルは僕の妻です。移民に行くと言い出してオーストラリアに渡り、4,5年遠距離恋愛をしていました。もう一つは生命力にあふれている人物にしたかったです。ケナは何度も逆境に陥りますが、逆境にへこたれずに乗り越える人物として書きました。
ー『韓国が嫌いで』というタイトルについて、裏話はありますか?
(ストーリーの前に)『韓国が嫌いで』という、タイトルを決めて書き始めたんですけど、最初はちょっと迷って、妻の意見を聞いたら「いいんじゃない?」って、編集者に聞いたら(手をたたいて)「それ、いいね!」という反応でした。
そして、「3月に日本に行きます!みなさん、また会いましょう」というメッセージが。
東京、大阪、福岡の三都市でトークイベントが開催されます。
チャン・ガンミョンさんのお話をぜひ、聞きに来てください。
三会場ともイベント終了後、サイン会を行います。
東京会場は、受付が始まっています。
□東京 「だれも消費されないために−−文学にできること」
日 程◎2020年3月20日(金・休) 午後3時開演(2時半開場)
ゲスト◎星野智幸(作家)
会 場◎在日本韓国YMCA 9Fホール(東京都千代田区神田猿楽町2-5-5)
入場料◎1500円(税込)
申し込みはこちらから。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScTGGZJjtB6kHVy8USYCXkd5PajoZOKrjBE3lDtmnyXeKCquA/viewform?vc=0&c=0&w=1
□大阪 「エグザイル・フロム・ヘル朝鮮」
日 程◎2020年3月21日(土) 午後7時開演(6時開場)
ゲスト◎ゆうき先生(大学教員)、吉良佳奈江
会 場◎ロフトプラスワンウエスト(大阪市中央区宗右衛門町2-3 美松ビル3F)
入場料◎前売り ¥2,300 / 当日 ¥2,800(飲食代別)(共に飲食代別)※要1オーダー¥500以上
くわしくはこちらから。https://www.loft-prj.co.jp/schedule/west/140719
□福岡 「韓国とフェミニズムと日本」(仮題)
日 程◎2020年3月22日(日) 午前2時半開演(2時開場)
ゲスト◎渡辺ペコ(漫画家)
会 場◎本のあるところajiro(福岡市中央区天神3-6-8 天神ミツヤマビル1B)
入場料◎1500円(ワンドリンク込み)
お問い合わせは、ころからまで。
〒115-0045 東京都北区赤羽1-19-7-603
TEL 03-5939-7950
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