ナディアがビリー・アイリッシュに見えてくる ー『西への出口』モーシン・ハミッド著 藤井光訳
舞台はイスラム式の礼拝が行われる南アジアの国。ナディアとサイードは出会い、恋に落ちて、ふたりで国から脱出します。脱出前が全体の半分近くで、関係なさそうな土地のエピソードが差し込まれ物語はまっすぐに進みません。(この辺、最後まで読むと伏線!)
ふたりが出会ったのは社会人向けの夜間授業で、教育を受けられる経済力と向学心があることがわかります。サイードは両親とともに暮らす敬虔なイスラム教徒。ナディアは未亡人であると偽って一人暮らしをする独立心の強い女性です。バイクに乗り、ドラッグを