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黒い花の屍櫃 長編ミステリー

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週刊誌『FINDER』に『R・J』と名乗る者から手紙が届く。オカルト同好会『sorbet』を糾弾していた。駆け出し事件記者・桐生は『sorbet』の取材を通し、ある青年に出会う。…
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記事一覧

黒い花の屍櫃(かろうど)・24 最終話

           『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      8    五日後の火曜日午前…

黒い花の屍櫃(かろうど)・23 長編ミステリ

     『黒い花の屍櫃・1』はこちらから         7    一階に明かりはなく、ヨ…

黒い花の屍櫃(かろうど)・22 長編ミステリ

     『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      6    翌木曜日に出社すると、赤石…

黒い花の屍櫃(かろうど)・21 長編ミステリ

     『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      5    駅前で舛添と別れ、二人は車…

黒い花の屍櫃・20 長編ミステリー

     『黒い花の屍櫃・1』はこちらから       4  警察へ通報後、千厩警察署で…

黒い花の屍櫃(かろうど)・19

  『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      3    翌火曜日に出社すると、徹夜で入稿…

黒い花の屍櫃(かろうど)・18

    『黒い花の屍櫃・1』はこちらから        2    翌月曜日。赤石はスチールデスクの前に座り、ボールペンを顎に押し当てている。昨夜梶木から聞いたことを赤石に報告したところだった。 「正木希美が正木耕助を殺したんだろ。近くの樹林にでも埋めたんだよ。娘はそれを知って悪魔に取り憑かれたんだ」 「有紗ちゃんが悪魔の力を借りて父親を殺した可能性もあります」  桐生はデスクの前に立ち、手帳に視線を落とした。大籠で会った神父が語ったことを思い返す。父親を殺したのは悪魔

黒い花の屍櫃(かろうど)・17

   『黒い花の屍櫃・1』はこちらから  第四章 一粒の砂        1    少女は悪…

黒い花の屍櫃(かろうど)・16

   『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      5    フロントガラスにぽつぽつと雨が…

黒い花の屍櫃(かろうど)・15

     『黒い花の屍櫃・1』はこちらから       4    翌土曜日。正木希美の義姉…

黒い花の屍櫃(かろうど)・14

   『黒い花の屍櫃・1』はこちらから         3  青梅署へ向かう途中、梶木が…

黒い花の屍櫃(かろうど)・13 長編ミステリ

   『黒い花の屍櫃・1』はこちらから      2    正木希美は『sorbet』の会員だっ…

黒い花の屍櫃(かろうど)・12

   『黒い花の屍櫃・1』はこちらから    第三章 瀆聖        1    黒い石に…

黒い花の屍櫃(かろうど)・11

  『黒い花の屍櫃・1』はこちらから        6  翌木曜日は朝から雨が降っていた。桐生は盛岡行きの新幹線やまびこに乗っていた。三人掛けのシートで、通路側に武藤、窓側には久利生が座っている。  久利生は生前の正木有紗に会っていた。正木耕助はまだ事故に遭う前で、木彫り店は繁盛していた。日曜日や連休には、観光客向けの体験工房を開いていたという。  正木親子との接触が、今回久利生が悪魔に取り憑かれたことと関係しているのだろうか。それを調べるために大籠にある集落に行こうと