不要不急の8割の接触の価値
ウイルス、感染、自粛、緊急事態、、、
物騒な言葉が飛び交うようになり、人々の生活は一変した。
人と人との接触8割減。
8割の接触は不要不急だ、と聞こえる。
同居人とは一緒にいられる。
友達も声をかければご飯に行ける。
SNSを開けばそこそこ仲がいい人の生活をのぞくことができる。
なのになぜこんなに自分の生活はぼんやりとしているのか。
不要不急の8割の対人関係から我々が得ていたものは大きい。
特に会いたいとも思わない人とのちょっとした関わりで、私たちは自分の存在を感じることができる。
人との関わりは、自分を映す鏡なのだ。
不要不急なちょっとした出来事は、そのあとの話のネタにもなる。
不要不急の8割の接触が失われ、残りの2割の人と話すネタも減ってしまった。
生涯で40人の人間としか関わらないような時代もあったという。
しかし私たちはそれよりはるかに多い人と関わることに慣れてしまった。
人間は社会的動物だと言われる。
この社会の範囲はどんどんどんどん大きくなって、
今急に狭くなった。
私たちが戸惑い、さみしさを感じるのは当たり前だ。
一人の時間を充実させる活動に飽きたら、「自分から声をかける人」の範囲を少し広げてみよう。
こんなご時世だから、遠慮しなくていい。
しばらく連絡を取っていない人、同窓生、自分から誘ったことのない人。
「お久しぶりです、元気?」
「こんなご時世ですが、よければ近況報告にご飯でも。」
ちょっとだけ勇気がいるかもしれない。
しかし、この勇気が私たちの生活の輪郭を再び強めてくれるだろう。