【新潟→山形2019⑤】精緻な龍の彫刻が美しい社殿…下日枝神社(山形県酒田市)
2019年6月の新潟→山形への(行き当たりばったり)旅⑤です。
今回は日和山公園近くに鎮座される下日枝神社をご紹介。サムネイル画像もそうですが、とにかく社殿の彫刻が美しい! この社殿は、天明4年(1784)の建立とのこと。一見の価値ありです!
前回記事も読んでいただけると幸いです↓
洋上風力やレトロな灯台を眺められる日和山公園には、素晴らしい松林があり、その中に赤い鳥居が佇んでいました。
しかも、このカタチは、そう山王鳥居(さんのうとりい)!ということは、こちらの神社は山王神社か日吉神社。滋賀県大津市に鎮座される日吉大社の勧請かと思われます。
山王鳥居にご興味のある方はコチラをどうぞ↓
あとから調べたところによると、酒田市には上日枝神社と下日枝神社の2社が鎮座されており、わたしが参拝したのは写真を見る限り下日枝神社のようです。
鎮座されたのは、「上の山王さん」こと上日枝神社が早く、貞観17年(875)とのこと。
以下、上記サイト様によりますと、近江国坂本に鎮座される山王宮(日吉大社)を勧請し、酒田港に神幸(しんこう)し、袖の浦に御旅所を構えて鎮座。そのあと、御城内に奉遷され、嘉永13年(1636)に現在地に移されたそう。
下日枝神社の現在の社殿は天明4年(1784)、酒田の豪農、本間光丘(ほんまみつおか)によって建立されたそう。調べたら、すごい方だった! あの上杉鷹山(ようざん)の指南役だったらしい。
先ほど「松林がすばらしい」と書きましたが、この松林も風砂に悩んでいたこの地域の防砂林として、本間光丘が植樹したものだとか。それにより、松林が定着したのだそうです。
ここからは社殿の写真でご紹介。
彫刻に彩られた瑞神門。これも本間光丘によるもの?
狛犬さん(阿形)
狛犬さん(吽形)。新潟・山形はこういう表情の狛犬さんが多いような気がする。
社殿の彫刻が本当に美しい。
ご祭神は大己貴神(おおなむちのかみ)、大山咋神(おおやまくいのかみ)、そして胸肩仲津姫神(むなかたなかつひめ)の3柱……胸肩仲津姫神は「胸肩」でいいのかな? 胸肩仲津姫神とは、おそらく福岡市の宗像大社に祀られている仲津宮の湍津姫神(たぎつひめ)のことだと思います。「宗像」が正しいような……正誤は分かりませんが、ご祭神は3柱とのこと。
社殿を彩る美しい龍の彫刻。躍動感があります。
本間光丘が建設させた社殿
ここでいきなり反省。
行き当たりばったりな旅は、確かにおもしろい。思いもしなかった出来事(いきなり山下りとか)、想像もしなかった光景にあったりと、予期せぬことが次々に起こり、好奇心を満たしてくれます。ワクワク、ドキドキします。
しかし、夕暮れの酒田を歩き、なんとなく疎外感を感じたのでした。どこへ行ったらいいのか分からないのです。行きたいのは旧家が並ぶ通りですが、どこから入ればいいのか分からない。もっと深く知りたいのに、なかなか仲良くなれず、ぐるぐるまわってる感じといいますか。
わたしは古写真の取材をなりわいの一つにしているため、その企画でいろんな街を訪ねます。
なかには「これまで名前も知らなかった」という市町村もありますが、1ヵ月くらい取材を続けると、だんだん通りの名前がわかってきます。メインストリートがわかり、街の風景を頭の中で描けるようになり、歴史も頭に入ってきます。
そうすると、街歩きが断然楽しくなるのでした。いろんなことを知ることで、より興味が持てるようになるというか、もっと知りたくなるといいますか。
そういう意味では、人間も街も同じかもしれません。
でもまあ、行き当たりばったりも、情報をしっかり得ての旅も、どちらも楽しいのは変わりません。酒井にはもう一度行けばいい。今度はしっかり下調べをして。
「新潟→山形2019」も次回の羽黒神社で終わりです。
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