意味。いみ。忌み。イミシラベ。
心を司る、イミシラベ。
心を蝕む、イミシラベ。
さてさて今宵は誰が死ぬ?
「誰が死ぬといわれても」
「もうここには、生者は居らぬ」
ならば君らは何者か
「我らは推考なる感情なり」
機械仕掛けの玩具は言う。
「私は駒」
「私は飴」
「私は空白」
「私は明かり」
それぞれがバラバラにいい、お互いの顔を見合わせる。
「足りぬ」
「これでは足りぬ」
「空がいない」
「闇がない」
「町がない」
「間違いない」「足りぬ」
「貴様は何だ?」
「何を持つ?」
「はたまたここの主かえ?」
私は忌み。ここの闇を 司る。主の心で動き出す。
「おおそなたが闇か」
「待ちわびた」
「ささ早くこちら側へ」
手をくたくたと振られ、招かれる。
違う 私はそこにはいけぬ
「どうして」「何故だ」「なにゆえ」
私の仕事は蝕むこと。私が消すのは貴様ら感情。
「どうやって」「仲間」「殺す」
簡単。主の命に従うのみ。
忌みの調を鳴らすだけ。
そうすることで主は生きる。
そうしなくては生きてはいけぬ。
「そこまで」「壊れたのは」「何があった」
さあ。私の知ったことではない。ただただ、その場から消すのみ。遠ざけ退け、いつかまた、主が戻れば陽の目を見れる。
「それまでの辛抱」「そこまでの苦労」「それだけしかない選択肢」
そう。だから、明かりは今いぬのだ。
「ああ明かり」「声がないと思ったら」「次は私か?」
それは主が決めること。私はイミ。意味。忌み。忌調。
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