の(奇妙な命を見た)
足。足元が見える。
ここは洗脳されてしまった。
そして私は殺し屋。
洗脳をとく、殺しをする。
倒れた戦友も、愛する恋人も、苦しむ国民も皆見えないふりをする。
そうしなくてはならない。
ハズ。
ジョうカン そうおっしゃっていたはずだ。
そうして私が狩りださレタ。
背筋を伸ばしてでむクト、アシ。
・・・わタしハ、ナニモノダ?
おモイダせ。
アシ・・・足。脚。あし。
奇妙な、足。 アシに、なッタ。
ぐちゃぐちゃで、目の前が見えない。
ダめだ。
ト、主った。
記オクが曖まイ。
どウシシよウモなイ。
コレガ、子之苦荷野、戦嚢・・・
「・・・・の、」
(奇妙な命を見た。)
(そのものの身体は、足がねじまがり、顔がひしゃげ、無惨なことになっていた。
その命の名を、私は知っている。
けれど口にしてはいけない。
この洗脳は、名を呼ぶと起きるのだから。)