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森見登美彦 美女と竹林
森見登美彦さんの「美女と竹林」を読みました。
こんなバカげた妄想と遊びで金を儲けて暮らしていけたらいいなぁとか単純に思いましたが、小説なんて書けないので、書く苦労もそれは大変なものなんだろうなぁって思います。
森見さんの作品は「夜は短し恋せよ乙女」「四畳半タイムマシンブルース」「シャーロックホームズの凱旋」など読ませてもらいましたが、どれも独特で似た世界観がありハマる人はハマるだろうなぁって思いました。
私は40歳を過ぎて温室育ちでカッコつけでビビリで弱虫で、詰まるところイケテナイ親父です。そんな親父が読む本なのかは疑問ですが、森見登美彦さんが好きで「美女と竹林」を手に取ってしまいました。
やはり、独特の世界観で嘘か真か、虚構か現実かよく分からないエッセイになっていましたが、どうも読み進めてしまう魅力があります。
森見登美彦さんは京都出身で舞台が京都の作品が多く、私自身が関西出身で京都に魅力を感じているのが原因の一つだと思います。
と、こんな風に思っている事をつらつらとエッセイと呼ぶかどうか疑問に思う文章を書いて時間を潰すことに決めまし。
そんな事を思わせてくれる魅力がこの作品にはありました。竹林経営で億万長者に、なんて思ってもどうにもこうにもいかない姿をエッセイで書いてみせる森見さんにはニヤニヤしてしまいました。
フラスコに竹林をと考えたあたりも、同感出来る部分で、私は遺伝子操作で手のひらサイズのミニ動物園を作りたいと考えたことがあるのです。森見さんみたいに京大になんか入って研究なんて出来なかったので夢のまた夢でしたが、同じような夢を見ていたんだと嬉しく思いました。
美女と竹林は等価という考え方も面白いし、同感しました。竹は美しく美人を連想させてくれる。本作には本上まなみさんが出てきますが、まさに美女と竹林にふさわしい登場人物だと思いました。美しさを花に例えることはよくありますが、竹と等価とは良く言ったものだと感心しました。
ダラダラとニヤニヤと読むにはもってこいの一冊。年末年始やゴールデンウィーク、お盆など休暇の暇つぶしにオススメです。
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