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ソラノ譜
ソラに描かれた形象が楽譜だとしても
ぼくはそれが演奏できない
もしもそれがゆるされるなら
なんてすばらしいことなのか
あらゆる発想を雨のように望んでも
そこにあるのは見上げるだけのソラ
しかし
土鳩も蟋蟀も蜩も譜面を読めないだろう
彼らはソラで歌う
知らない歌の譜面の前で
読めない歌を歌わない
もしも雷鳴が歌ならば
ぼくはその譜面がみたい
雲のうえにおかれていると信じる線と点 記号と数式を
みつけようとすることは愚かな希望だろうか
灰青色の幕をかけ時をとめて
目を閉じそっと胸に手をあてて歌う
その万里にとどく声をもつものの姿を
真ん前でぼくは見てみたい
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