![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153667472/rectangle_large_type_2_7c2359b6d2063b9c0cbc9b55b25a4fb1.jpeg?width=1200)
コクゾウムシ
静止した保存された隠された暗い蔵のなかから
きこえる 極々小さな音が
時のひと粒ひと粒を齧る顎の音が
いや
生のひと粒ひと粒を齧る時の音が
私は
陽にさらして逃げまどう、その黒く小さな硬いものを ひと粒ひと粒つぶすのだが
暗い蔵のなかからきこえる音がやむことはない
私が袋につめた明日が
崩れてゆく小さな音が
静止した保存された隠された暗い蔵のなかから
きこえる 極々小さな音が
時のひと粒ひと粒を齧る顎の音が
いや
生のひと粒ひと粒を齧る時の音が
私は
陽にさらして逃げまどう、その黒く小さな硬いものを ひと粒ひと粒つぶすのだが
暗い蔵のなかからきこえる音がやむことはない
私が袋につめた明日が
崩れてゆく小さな音が