
鈴
産婆の手のひらに上陸して以来
土のうえをころがりつづけた俺の
汚れた泥と汗は冷たい水で幾度も洗われた
水の中ではけして聞くことのなかった
乾いた鈴の音が好きになった俺は
土の上で鈴をつくろうとした
塊を空洞にする技術も
狭い切れ込みのなかに丸い玉をいれる技術もしらない俺は
ひたすらむなしく丸い泥を振り続けた
泥水に流され沈み圧縮され
豆粒ほどの殻になった俺の
空洞の中に骨は黒く乾いた玉になった
発掘されたその鈴の音を俺は聞く事はなかった
産婆の手のひらに上陸して以来
土のうえをころがりつづけた俺の
汚れた泥と汗は冷たい水で幾度も洗われた
水の中ではけして聞くことのなかった
乾いた鈴の音が好きになった俺は
土の上で鈴をつくろうとした
塊を空洞にする技術も
狭い切れ込みのなかに丸い玉をいれる技術もしらない俺は
ひたすらむなしく丸い泥を振り続けた
泥水に流され沈み圧縮され
豆粒ほどの殻になった俺の
空洞の中に骨は黒く乾いた玉になった
発掘されたその鈴の音を俺は聞く事はなかった