鈴に
ガラスに乳歯が触れなければ
川に樫の実がおちなければ
空洞に風がふかなければ
老人の指が卓をたたかなければ
音はうまれなかった
だから
未来へと脱皮していった地球の抜け殻のなかで
悲劇的でも喜劇的でもない誤脱のため
残された私という滓が
つまずき、ころげなければ
この鈴はならない
ガラスに乳歯が触れなければ
川に樫の実がおちなければ
空洞に風がふかなければ
老人の指が卓をたたかなければ
音はうまれなかった
だから
未来へと脱皮していった地球の抜け殻のなかで
悲劇的でも喜劇的でもない誤脱のため
残された私という滓が
つまずき、ころげなければ
この鈴はならない