【短編(1/3)】アトラクターの上を歩いている
序章
「近未来を予測する方法? このゲームをやったらそれが分かるって言うのか?」
ヴァンは懐疑的な顔を向けるが、友達はニヤニヤと楽しそうな笑みを崩さない。絶対に何かある。
「ま、騙されたと思ってやってみろって」
「嫌なんだけど」
「騙されろって」
「…………はぁ」
強情なまでに表情が崩れない。こういうときは諦めるしかないことをヴァンは知っていた。
「でもさ、USBに入れてきたソフトってのが怖いんだけど」
「そりゃ俺の自作だからな」
「……は?」
「さあさあ、インス