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出版就活をサバイブする

 お疲れ様です。このnoteを読んでいるのは、おそらく出版やエンタメの就活に挑まれている、あるいは挑もうとしている方達だと思います。私も就活中に死にものぐるいで情報を集めていたので、自身の経験が誰かの糧になることを祈って書いています。
 まず、どんな人間がこれを書いているのか分からなければ参考にできないと思うので、24卒である自分の就活の結果と状況を以下に簡単に示します。

内定 3社(出版2、コンサル1)
4次面接落ち 1社(テレビ)
3次面接落ち 2社(出版1、テレビ1)
書類落ち 2社(新聞1、テレビ1)
選考辞退 4社(出版2、アニメ1、テレビ1)

 内定した出版社のうち、より自分のやりたいことができそうな1社に進むことに決めています。

 私は出版社で編集職をすることを目標に就活をしていました。理由は色々ありますが、幼少期から本が好きで、自分が届ける側として本に携わりたいという気持ちがあったからです。他にもテレビやマスコミを受けていますが、こちらでもやりたいことがあったので第二志望群としていました。それと、あまりいい動機ではないかもしれませんが、テレビ業界の面接は出版の空気に近そうだと思っていたので、出版就活するうえでのいい練習になると思っていました。その気持ちがちゃんと伝わったのか、テレビ局は上の面接まで辿り着けていません。また、マスコミやメディアに絞るのは流石に無謀すぎるということで、ご縁のあったベンチャー系コンサルの選考も進めていました。
 このnoteでは、出版就活をするうえで役立ったことや、対策方法についてお伝えしたいと思います。



まずこれ読んで/見て!

 出版を目指すうえでかなり大事な情報が詰まってる書籍や動画はいっぱいあるのですが、意外と調べないと出てこないので、私がお世話になったものをまとめておきます。この辺りをひととおり確認しておくと、謎に包まれた出版就活のありようがなんとなく掴めると思います。

書籍

マスコミ就活読本 新聞出版編
 とりあえずこれ読んで大体のスケジュール感や倍率を掴めるとよいです。選考の最低限の情報はこれで分かります。

本の雑誌2022年5月号 出版業界で働こう!
 採用担当者のインタビューなどがあり参考になります。公式サイトで買えますのでどうぞ。

或る新都作家の就活

 (本じゃないですが)07年ごろに出版就活を漫画編集志望でしていた方のエッセイ漫画。雰囲気や面接の感じがめちゃくちゃ参考になります。

動画

【ドロピザ ネタバレ】ONE PIECE

 最近知ったのですが、就活を始める前に見ておきたかった……。出版就活の厳しさや難しさを知れる貴重な動画だと思います。そして、出版社に落ちたからといって終わりというわけでもなく、他の道もあるということも教われます。


ポンコツ21卒による出版就活【全落ち】体験記〜!

 上で挙げた「本の雑誌」にも寄稿されている梨ちゃんさんの動画。出版就活で気をつけるべき点をとっても分かりやすく話されています。私は就活中に10回以上見ました。


千代田の仮想OB訪問

 とってもためになる漫画編集者千代田さんの仮想OB訪問動画。志望動機、面接での話の進め方の参考になります。


AV業界から神童扱いされたひわらから就活アドバイス

 日テレ役員面接落ち(?)、SOD内定の芸人ママタルト檜原さんの就活体験記動画。私の趣味なので必ずしも見なくてもいいですが、エンタメ就活で必要なことが詰まっているのでおすすめです。


対策方法

 就活ではいくつかの関門があり、それぞれに適切な対策をする必要があります。私が行なっていた対策と、「これを気をつけていればよかったな〜」と思うことをまとめておきます。

ES対策

 ESの基本的な書き方については、他にもたくさんの方が解説をされているので私がここで述べるのは控えます。上で挙げた千代田さんの動画が志望動機を考えるうえでたいへん参考になるので、ぜひご覧ください。

 そのかわり、私が選考を通して大事だったなと思うことをいくつか。
 ESを書くときは、ワンキャリで受かった人やOBのを読み漁って傾向つかむのがいいと思います。程よいフックを入れつつ、情報過多になりすぎないのがポイントです。あと、これは個人的な意見ですが、無理な変人アピールみたいなのは大体スベるので控えた方がいいかもしれません。自然体でいきましょう。
 大手のESは12月には内容が出ると思うので、早め早めに書いておくのが吉です。そして書いたものは友人、キャリセン、サークルの先輩、家族など誰でもいいので複数人にお願いして添削してもらいましょう。そこでフィードバックをもらい、自分をどう表現すればいいのかもう一度考えて、書き直したものをまた誰かに見てもらいます。この工程を何度か繰り返せるといいです。
 ここで気をつけてほしいのが、添削してくれた人の言葉を全部そのまま使ってしまうこと。ESの見映えは良くなるかもしれませんが、自分の言葉でないことはのちのち面接で悪い意味で響いてきます。添削してもらった内容と自分の表現したいことの塩梅をうまいこと調整しながら、自分なりのベストな文章を探してみてください。

試験対策

 出版社に限らず、就活では避けて通ることのできない試験対策。ESが通ってもテストで落ちるのは非常にもったいないので、早いうちから対策しておきましょう。
 私は、夏ごろから参考書を1日に1ページずつ解くようにしていました。……が、1週間くらいで習慣が抜けてしまい、直前で詰め込む勉強を繰り返していました。テストの結果が来るたびにヒヤヒヤしていたので直前に勉強をするのは全くおすすめしません。そんな人間が勧める試験対策なので、半分疑いながら読んでください。

朝日キーワード
 とりあえず時事対策に1周しておくと吉。別の会社の時事対策本でも大丈夫だと思います。

ネットで評価の高いテスト参考書
 なんでもいいですが、就活が近づくと品薄になるので早めに買っておきましょう。本番の前に少なくとも2周くらいして万全にしておくのが理想です。私もそうなのですが、文系の学生は数学を忘れがちなので非言語は重めに対策しましょうね……。
 TG Webはここで対策しました→ https://jyosiki.com/spi/TG_dif.html 

ほか
 行きたい会社の名前をググって一年分くらいのニュースを見ておく。気になるものはさらに調べて時事対策にしたり企画対策にしたりするといいと思います。
 出版特有の(非)常識問題を対策したい場合、エンタメ全般のニュースは日頃から積極的に見ておくとよいです。文芸賞の受賞者や受賞作などは対策しやすいのでよかったのですが、芸能系は個人的に手薄いジャンルなので苦労した記憶があります。

面接対策

 面接で気をつけるのは1にも2にも結論ファーストだと思います。結論→理由→結論みたいな感じで話すのを意識すると話してて論理が破綻することは少なくなるはず……。面接は場数を踏んで反省を生かしていくことが大事だと思うので、なるべく早い段階から他の企業を受けていくのがきっとベターです。
 あと、これはテレビ業界のOBから聞いたコツなのですが、ESでも面接でも何かについて述べる際は「自分はこれまで何をしてきたか」「今はどのような特徴・能力・考えがあるか」「将来どうしたいか」この3点を一本線で繋げるように論理を通して話すと伝わりやすいらしいです。実際、私もこういうことを意識するとわりかし通りやすかったので、困ったらこれを意識してみてほしいです。
 それと、話すときも書くときも、一般論は避けるのがよいです。ネットや本で頑張って調べれば分かることを並べても、それは自分の意見ではないとみなされてしまいます。何かについて話すときは、自分の体験などと絡めて「自分だからこそ言える」話にすると説得力が増します。

その他対策

 ES、面接は以下のことをしたうえで備えておくとよいと思います。

 好きな作品、嫌いな作品をたくさん読んでフィクションや雑誌への考えを言語化するとよいです。他のエンタメ(映画、ドラマ、音楽etc…)もチェックしておく。
 志望している出版社の雑誌はひととおり目を通す+志望雑誌と競合の雑誌は少なくとも3カ月分、余裕あれば一年分読んで分析する、くらいの気概は必要だと思います。出版社・雑誌ごとのカラーは自分の言葉で言えるくらいにしておきましょう。都内に近いなら国立国会図書館に行くのもありかもしれません。私は文芸系と雑誌は近所の図書館と雑誌サブスクで読み、単行本はKindleで買ってたので出費がとんでもないことになりました。
 私はあまり手が回らなかったのですが、編集を志望する場合はデジタルとアナログの違い、各社の出してるアプリもチェックしておいた方がいいと思います。
 他は各出版社の内定者エッセイとかインタビューもとっても参考になるので、熟読するのがおすすめです。とはいえ、ポジティブなエネルギーを受けすぎるのは油断につながるので危険です(そこにいるのは全員内定した人であるのを忘れないで……)。

今思えば就活に活きていたこと

 ここから先は自身への分析と、精神面のケアについて書いています。多少個人的な内容を含むので、有料にさせてもらっています。実地的な就活対策はすでに上で述べているので、ここまで読んで興味が湧いた方、出版就活でのメンタルの保ち方に興味がある人は読んでいただければ。

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