不公平感に潜む罠 | 『あの人ずるい』と言う前にまず考えたい3つの事
こんにちは。この前、noteを徘徊していると気になる記事を見つけました。以下のような内容だった記憶です。
産まれた時期によって保育園に入れないのは不公平
詳細な説明は割愛しますが、年齢別の定員差と月齢制限によって、1月〜3月産まれのお子さんは保育園に入園しづらい現行制度となってしまっています。
これは大変由々しき事態なんですが、保育園問題についてはまた別の機会の議論としたいと思います。
はじめに
冒頭の文章にあった『不公平』という言葉が目に留まりました。この文章には『不公平を是正すべき』という主張が根本にあるよう見受けられます。
『公平』とは以下のとおりに説明されています。
《Wikipediaより引用》
公平(こうへい)は、公に平らなこと、すなわち一定の集団において、偏らないということである。
私も『不公平感』とも言える負の感情が湧いてくることは少なくありません。基本職場で、です。笑
・全然働かないのに私より高い給料貰ってる
・同じグレードなんだからもっと仕事してほしい
・それなりの役職なんだから自分で考えて欲しい
日常の些細な出来事まで目を向けると、『不公平感』は様々な不満の源泉の1つなのかもしれません。
そこでこのnoteでは、『不公平』と『それを是正すべき』という視点について少し掘り下げて考えてみたいと思います。
何が公平で、何が不公平か
『不公平感』は誰もが抱き得ます。しかし、ふと我に帰ると『不公平だから是正すべき』というロジックにすがっている自分に時々違和感のようなものを感じることがあるんです。
こんな例はどうでしょうか。
老若男女のピクニック帰りに遭難してしまったと仮定しましょう。救助を待つ間、複数人で限られた食料を分けるとしたら、どんな分け方が最も公平と言えるでしょうか?
以下のような回答が想定されます。
・均等に人数割
・年齢による傾斜配分
・体のサイズ(体重・身長)による傾斜配分
・計算上の基礎代謝による傾斜配分
・助けを求める等活動量による傾斜配分 等々
どれも公平でどれも不公平に感じるのはワタシだけでしょうか。笑 こうやって並べてみると、それぞれの選択が『公平か不公平か』の線引きはかなり難しい印象で、考え方によって答えも変わってくるかなと思うに至りました。
『不公平』に『感』が加わった『不公平感』ではもっと深刻です。皆が公平だと納得した状態がゴールかと思いますので、さらにフワフワするのかもしれません。
何が言いたいかというと、『公平である状態』は基準の設定によって変わり得るモノで、非常に定義が難しい視点だと言うことです。
『不公平』という言葉は人それぞれ解釈が違う可能性を孕んでいます。その点、『不公平』の是正を目的とした議論はなかなか難易度の高い、収拾がつかなくないものになるのかもしれません。
《まとめ》
『公平』『不公平』の解釈は人それぞれ異なる可能性
目標を知ることは、足るを知ること
ちなみにですが、先程の例を次のように(拡大?)解釈するとどうでしょう。
全員が元気に帰れるような最適な分け方は何か?
個人的はグッと考えやすくなった気がします。不公平感の取り扱いは難しい印象でしたが、目標が加わることで答えが見えてきそうな感覚を持ちました。
私の個人的な見解なのかもしれませんが、難しい問題はそもそもの目的や目標に立ち返ると何かヒントになるのかなと思っています。
《まとめ》
行き詰まったら目標に立ち帰ろう
格差是正に潜む罠
『不公平』を是正する手段として、もう1つ視点を付け加えたいと思います。薄々感づいている方もいらっしゃるかなと。
それは不公平や格差を無くすために、最も低い基準に一律で合わせるという視点です。
保育園の例で言うと、産まれた月に関わらず保育園に入園しづらい状況に揃えることがそれに当たります。遭難の例なら、食料を与えない選択でしょうか。
このように格差是正に主眼に置くと、一律で基準を下げる選択肢が禁じ手として頭に浮かぶのかなと思います。限られたリソース下で公平感だけを保証しようとすると、これが最も手軽かつ安易な手段となり得るのかもしれません。
『同一労働同一賃金』界隈で似たような事例が起きそう(起きている?)ようです。嘘のような話で、本末転倒甚だしいです。が、文字通り捉えると『格差是正』へのショートカットは『一億総低所得社会』になっちゃうんでしょうか。
《まとめ》
格差是正だけに囚われると本末転倒な結論に至る事も
さいごに
昔、『何故、師走と書くか』という質問に対して『獅子が走るから』と意味不明な回答を返してすごく恥ずかしかった思い出があります。笑 師走が来るたびに思い出してます。
正解は『師も走るくらい忙しいから』。『師』は先生以外にお坊さんのことも指すそうです。ちょっと一息つきたいですね。それではまた。
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