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変な事から学びを得る習慣

仕事の旅をしながら生活する私、ふと思う事がいくつもあります。


やはり常々に思うのは、「かわいい子には旅をさせろ」とは本当なんだなと。



現在のホテルでの仕事は2回目ではありますが、働く部署が前回と違って厨房とホールになりました。あとはお客様の部屋のクリーニングもたまに入ります。

前回はというと、それに比べてお客様の送迎があったんです。むしろ雇われる理由はそちらの方が主です。

こんなにいろんなところへ飛び回ってやれ運転だの厨房だの掃除だのと働く人はほとんどいません。

私と似たような働きをしていた人がひとりだけおられましたが文句を言って辞めて行きました。朝起きると部屋にいなかったとのこと。

そう。このホテルは人を飲み込んでしまうようなんです…。

ウソだけど。



僕が今回思ったのは、そんないなくなった人の話ではなくて、マルチに何でもできる人ってなかなかいないんですよ。

本当にいません。
自分ってすげーだろという話ではなくて、いろいろ経験して身に付いた結果なので、いろんなところで働いた経験と仕事を辞めた数が多いと言うだけの話ですかね。


しかし旅をして転々とするからには、働きに行った際にお荷物だったり、生活もままならないようであっては足手まといも甚だしいわけです。


たまーに何でもかんでもめんどうを見てくれる人はいますけど、正直言うとめんどうなど見てくれなくてもコチラとしては悪いけど何でもできる身なので要らないのですが、「やってくれる」なら、そりゃやってくれた人にありがとうのひとつも言ってやらせてあげるのがいいです。(本人のためにも)親切は断らぬが吉と出る場合が多いです。


先ほどにも登場したマルチなおじさんは何がいけなかったんでしょうか?


僕は一度だけ一緒にお酒を飲んだのですが、この人はかなりの酒飲みでした。もうベロンベロンになるまで飲んでいました。僕は記憶が無くなるのも嫌だし二日酔いなんてしたくないのでチェイサーを挟みつつチビリチビリと飲んでいました。

どうやら楽しい雰囲気が好きだったようですね。

寂しさと楽しさは表裏一体で感じる方は多く、楽しい以外は全て寂しいと思ってしまい、ストレスが溜まってそれでグチグチと愚痴をこぼしていたのでしょう。

前回仕事を辞めていく人の特徴を挙げたわけですが、お酒を飲んでストレスを解消できないとなると、愚痴が出るようになります。愚痴を言うということは不満があるわけです。

不満を持つ人はストレスがたまり、ストレス解消のための行動に走りますが、この人はストレス解消にお酒を飲んでいました。しかしひとりで酒を飲めば寂しさも助長されるし愚痴は聞いてもらえないしで、余計に考える事がたまり、嫌になって去って行ったというわけです。
本末転倒ですね。やだやだ。


やれやれ。

おじさんにもなってストレス解消法も自分で発見できてないとは情けないじゃない。



ただ、僕もストレスを溜めない旅生活が最初からできていたわけではありません。途中からでした。


そこからどんな風に学んだのかと言うと、人の行いを見て学び、それと本を読んだ時の学びを着実に自分へ当てはめていくという事です。
人のふり見て我がふり直せってやつですね。

僕の場合、水泳の先生をしていた経験から、子どもからでも学びを得る事ができると感じていたので、様々に観察した事柄から小さな学びを得るのはさほど難しくもありませんでした。


なので今回、もうちょっと、いや、かなりどうでもいいようなことからでも学びを得るのはなかなかおもしろいコンテンツかなと思います。

そういうのを書き留めていくことにしましょう。



今日あった事なんか、ほんとくだらないです。



しばらく風邪をひいていて完全に風邪が治っていなくて、鼻が詰まったり鼻水がドロっとして(汚いなぁ)苦しい日が続いています。もう治りつつありますけど…。

鼻をかんでは、トイレの鏡を見てお鼻の周りをきれいかどうかチェックしていたんです。
鼻水が付いていたらダサい、ダサいというか汚いじゃないですか。

何日も鼻風邪が続いていて鼻をかんではトイレへ行っていました。しかし、今日は少し様子が違いました。

鼻毛さんがちょっと出ています。


連日の激しい鼻水で抜けたのかな?と思い、つかんで取ろうとするとちょっと手応えがあり取れたのです。彼はまだ地に根を張っていてご健在の鼻毛さんだったのです。

ブチンと取れた鼻毛さんを見ると驚きました。彼は僕の体毛の中でもトップクラスに長いやつで、具体的に言えば2センチあるかないかの強力な精鋭部隊の一員だったのです。

僕の鼻毛には左右にひとつずつ強力なやつを輩出する穴がひとつずつ存在しますが、そこからではない稀少種か突然変異体だったのです。

歳を重ねると気づいた事ですが、若い頃にはなかったような強靭な体毛を輩出する穴が年々増えるようですね。

しかもヒゲの中にもあります。現在問題になっているような"中"のつく赤い国のように勝手に居住権を得て頬のあたりに生える輩もいるんです。困った話ですが、まぁちょん切ってしまえば済む話ですし、王権は私自身にありますから、そういう勝手な事をされれば雑草の如くに刈ってしまうのが手ですね。ということで遠慮なくお仕事をさせていただいたというわけです。



話を戻して。

スッポ抜かれた鼻毛さんの事に移行します。


鼻毛さんの事を考えました。

それだけ頭を出せるほどに長く成長するには着実な栄養摂取をしたはずですし、風邪をひいた頃からすると、ネバついた鼻水が土石流のように流れて、何度となく生命の危険を感じた事でしょう。それでも根強く成長していたのです。


しかしながら。
強くありつつも、長く成長し過ぎたためにそれが逆に目立ってしまい、儚い最期を迎える事になったのです。残念です。不本意ではありますが強くあって目立ちすぎるのもまた不快と感じる者には攻撃の対象とされてしまうんだなと感じたのでした。

存在しつつも長い年月を経てやっと光を放ちだし、認識されはじめた星のような存在だったにも関わらず、邪魔となれば一瞬の瞬きとしてその命を刈られてしまうわけです。儚いという言葉がこれほどまでにも合うものはそこまで無いでしょう。

強くあり成長していると感じ、自分でも自分の成長を認められる事があるかもしれませんが、出過ぎてしまうようでは鼻毛さんのような本末転倒ですし、ましてや自分から"できる者"として認識してもらおうと図らなくてもその働きから自分を評価してくれる者にだけ光を当て続け、地味で着実なる一歩を歩むのは大切なんだと思いました。


良くも悪くも「縁の下の力持ち」いや、「鼻の穴の中のチカラ持ち」である必要があるのかなと。



彼は出過ぎたマネをして邪魔者と思われ王の手によって排除されました。

王はその者の強大なチカラを、その良い面を知らずしてひと目見た瞬間に脅威とみなしてしまい、配慮の無い処罰を下した事に涙したのでした。



彼の多大なるチカラと、功績は後世に語り続けられるに違いありません。

そのチカラに敬意と愛を、功績に感謝を込めて、この駄文をここに記す。

王様より……

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二ノ宮金三郎
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