小1で校歌にビブラート!歌手となった谷川さんの現在地。
司会 :高橋久美子(作家・作詞家) × 綾部健司(音楽家・詩人)
ゲスト:谷川正憲(ミュージシャン)
第6回目となる「金夜に会いましょう」は、人気バンドUNCHAINのボーカルを務める谷川正憲さんがゲスト。今回は「お仕事現場編」としてプロが使う下北沢の某スタジオを会場として大盛況のイベントとなりました。綾部とのユニット、ジェームスアンドチャーリーの演奏を交えながら最後は谷川・高橋・綾部3人での大演壇で締め括り。今回noteの末尾には谷川さん初めての詩を掲載しています。どうぞ最後までお楽しみ下さい。
●1982年生まれ ゲスト:谷川正憲
綾部:金夜のゲストは谷川正憲です。
会場:拍手。
綾部:谷川くんのことを、前回の金夜で紹介した時にですが「次回のゲストはなんと、小学校1年生で校歌にビブラートをかけていた男です!」って言った瞬間のザワつきが凄かったですよ!ざわざわざわーー!って会場がなりました。
谷川:いや〜、久美子さんお久しぶりです。
会場:爆笑。
綾部:おいおい、無視すんなよ(笑)。
高橋:見事な関係性が見られましたね(笑)。
谷川:久美子さんは綾部くんとのトーク、恐くないですか?
高橋:そやな、綾部くんてな、寄り道っていうか、細い道に入ったらそこからグーーーーーって奥の方へ行き切るやろ。
綾部:三軒茶屋の路地みたいな話になってるじゃないですか(笑)。
高橋:音楽家の人たちって自由気ままだもんね。
綾部:そういうもんですかね。。
高橋:で、小一で校歌にビブラートかけてたって話だけど、小一だとビブラートって名前も知らんやろ?
谷川:きっとそうでしょうね。僕の小学校では古い講堂があって、毎朝全校生徒が集合して校歌を歌うんですが。
綾部:毎朝?!
谷川:うん。で、ちょっと校歌がどんな歌だったかはもう忘れちゃったんだけど、一番最後の部分で「〇〇す〜す〜ま〜〜〜〜ん!」って歌詞があるのね。
綾部:まん?すすまない?
高橋:すすもう!って意味じゃないかしら。
谷川:いや校歌でよくあるでしょ!すすもう!っていうのを「まん」って歌うの!
高橋:希望的な言葉ですよね。昔の。
綾部:いや、あんま聴いたことなかったわ。
高橋:ん〜あるで。
谷川:いや、、、そこで引っかかって欲しくないのよ!
会場:爆笑。
谷川:当時、あんまり生徒はちゃんと校歌を歌う学校じゃなかったわけ。
高橋:えっ、小学校から校歌みんなちゃんと歌わなかったの?!
綾部:僕もあんまりちゃんと歌ってた記憶ないですね。久美子さんは校歌もちゃんと憶えてるくらいですか?
高橋:小・中・高と全部憶えてますよ!
谷川:えーーー!すごい。。じゃあ、僕の話は、、もう、、いっか。。
会場:爆笑。
高橋:いや(笑)、ビブラートの話!その時に、先生に言われて気付いたの?
谷川:周りが全然歌って無かった中で、自分だけが「ま〜〜〜〜ん!」のところでビブラートが飛び抜け過ぎちゃって、みんな静まり返っちゃって、で、みんなに笑われ、俺泣くっていう。その記憶だけがハッキリある。
会場:笑。
高橋:歌は元々好きだったの?
谷川:好きってことに気付かないくらい、のめり込んでいたんだと思う。
高橋:いつ頃から歌ってたんだろう?ちなみに自転車に乗りながら歌ったりもする?
谷川:僕は大阪で8年くらいUNCHAINというバンドで活動してた時期があったんですが、その時は、自転車に乗って1~2時間くらい散策するんですよ。西区の阿波座とかから大阪城の方まで、ゆ〜っくり漕いで作曲するんですよ。
高橋:2時間もかけて歌いながら作曲するんだ!
谷川:良いのできたなって思うと携帯で録音する。さて、曲作るか!ってなると、自転車にわざわざ乗りに行ってた感じ。
綾部:録るのはメロディってことだよね。
谷川:うん。昔はDTM(デスクトップミュージック)とか無かったから、それこそ、そのままネタに繋がっていった。今は、イメージしたものをそのままパソコンで実現できちゃうのでタイムラグがないですよね。
高橋:今はもうAIですか?
谷川:ですね。
高橋:私の敵じゃー(笑)。今は思いついたものは全てパソコンで完結させるんですね。
谷川:良いんだか、悪いんだかですけどね。
綾部:いや、悪いですね。まー良くないですよ(笑)。
谷川:使い方次第だよね(笑)。
綾部:少し経過しますが、中学2年生でバンドを結成するんですよね?
谷川:今のUNCHAINが結成されますね。
高橋:早いな!校歌からそんな変わってないよ。5~6年ってところじゃない。バンプオブチキンみたいな、幼馴染的なことなんや。
綾部:中2から今のバンドメンバーが変わらずなのは本当に凄いですよね!久美子さんはバンド体験はいつ頃からですか?
高橋:最初は大学で始めたよ。大学の軽音学部ですね。
谷川:大学行きたかったあ。僕は音楽の専門学校へみんなで進級しました。
高橋:それも凄いな!その選択ってある?全員で専門へ行くんだね。
綾部:彼らは、京都の京丹後出身で、陸の孤島と言われてる場所でして。
谷川:有名どころでは天橋立とかがあるんですが、と言っても、もっと地元は一番端っこの北の場所ですが。。
高橋:八ッ橋とかだよな。
谷川:それは、、全然京都市内でして、、。京都の人と思われるのが違和感がありますもん。
高橋:兵庫県の方が近いとか?
谷川:福井の方が近いですかね。京都市内から電車で4時間かかります。去年に開通した高速道路ができるまで車でも3時間はかかりました。実は、以前は交通の便が悪く、東京から日本一遠いところって言われてたんですよ。
高橋:気になるな〜!みんなで行きたいなあ。天橋立ツアー。
綾部:僕も一度だけ谷川家に泊めて頂いて、お母様にご挨拶させて頂いたんですけど、お父様も音楽通なんですよね?
谷川:実は、お父さんもお母さんも声楽をやっているっぽい人なんですよ。
高橋:そりゃ、ビブラートかかるな!お父さんもお母さんも家で歌われてた?
谷川:家ではあまり歌わなかったですね。
高橋:プロの方は家では歌わなかったりするんですかね。
谷川:全然プロとかではないんです。趣味で声楽をやってたみたいです。
綾部:ということは、「正憲、ちょっとトーンが甘いわね」的なアドバイスとか今だにあるの?
谷川:なんかね、インディーズの時に自主制作のCDを作った時、「ちょっとこれはヴォーカルのミックスがでかいわ」って言われたことあるよ。
会場:笑。
高橋:意外とロック寄りのお母さんやね!ヴォーカルを下げた方がいいって意味やから、格好いい選択やね!「もっとウチの子の出しなさい」とかじゃなくって。
綾部:確かにそれはなかなか言えないディレクションですね。お父さんが所持してる大量のCD-Rが実家にあったけどあれはなんですか?
高橋:オペラとかなんですか?
谷川:いや、全然知らないです(笑)。ちょっとお父さん変わってる人で。お父さんは左利きだったんですよ。小学生の時に野球をやってたんですが、他人と違うことをやりたいから、左グローブを買って、右で投げてたんだよ!って僕に話した事があるんです。。
高橋:あれ、他の子とおんなじにしちゃったんだ。。
谷川:ただの野球が苦手な子みたいにやってたみたいなんです。。めっちゃ怖くないっすか。
高橋:怖いというか、、お父さん、、どうした(笑)。
綾部:お父さんはアドバイスないの?自宅にスタジオを作ったお父さんは。
谷川:スタジオっていうか、防音もないし。歌って良いよって言われるけど、無茶苦茶外に聴こえるっていう。
高橋:近所の人も良い音楽が聴こえるっていうね、でもそれが本当の音楽教育だと思うわ。。多分(笑)。
谷川:田舎は寛大ですよ。いつも僕も自宅で歌いまくってたので。「最近上手くなってきたねー」って言われたりして。
京丹後にて 撮影:綾部
綾部:そういうの、良いねー。ドラムとかも叩いちゃうわけでしょ?
谷川:歩いて5分くらいの家なんですけど、街にスタジオがないんで。ドラムの彼の家では、ドラム機材とベッドが横並びですね。ベッドの上はスティックの木屑で凄かった。
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