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【中舟堂入荷報告】帛門臣昂個人詩誌「卵」第七号

 どうも、中舟堂です。このほど入荷しました、帛門臣昂個人詩誌「卵」第七号について。

 売り手からすると大変迷惑なのだが、帛門君はスランプに陥っているらしい。否、スランプというのは道を極めた人間にこそ相応しい。よって、訂正すると、彼は詩を怠けているらしい。
 彼は詩が書けなくなったのみならず、詩が読めなくなったのだという。これだから、怪談本もそこそこにしろと言っていたのだ。詩が読めないというのは、ただ詩文が頭に入らないことを意味するのではなく、日常のあるいは人生の詩を見つけられないということだ。よって、詩が書けない。ますます書けない。
 ほとほと困り果てている。とにかく、彼の回復を祈りつつ、個人詩誌「卵」第七号を売るしかない。
 この号は、彼が暗中に居る様子をありありと伝えるものになっている。直近三号で最も下手な散文詩を掲載している。改行詩は手癖で書いたようなものばかり。二、三篇、上等な詩を書いて、あとは書き方に迷っている。但し、一篇だけ果敢に新しい型に挑んだ詩がある。この挑戦的な姿勢が彼の行く末を拓いてくれることを願う。

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