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端数
割り勘をすることになりました。
通販だったので、とりあえず私が払って、お会計の後に半分をもらう、という段取りです。
2500円弱だったので、2で割って、一人1200円前後の予定でした。
お支払いに進んでみると、何かのキャンペーンだったのか、200ポイント余り付くとのこと。
え、2500円買って200ポイントは、もはや200円引きのレベルじゃん。
ラッキー! と思ったのも束の間。
「ねぇ、ねぇ、ちょっと待って。このまま黙ってポイントをもらうのは、なんだか気が引けるよ」
天使のささやき。
うん、たしかに。
十数ポイントならまだしも、さすがに、200は大きいかも。
「え、でもさぁ、建て替えてるの、自分じゃん? べつによくない?」
う、悪魔ちゃんの登場。まぁ、それもそうなのよね。
「しかも、こーゆーのって、タイミングだし。黙ってればバレないよ。そのままもらっちゃいなよ~」
「えー、よくないよ。正直に話そうよ」
待って、待って! 天使も悪魔もけんかしないで!
てか、今気が付いたけれど、ポイントが付いたから、合計が奇数じゃん。
二人で割り切れないじゃん。
一人1109.5って何よ!
もうめんどくさい!
「ポイントが多めに付いたから、端数は切っていいよ~」
天使に軍配が上がりました。
相手は安く買えて、私のうしろめたさも解消。
Win-Win。
これでいい。
二人ともラッキーだったのです。
数分後。
「1000円でいいってこと?」
しばしフリーズ。
私は1100円のつもりで言ったんだが???
でもね、そんなこと、言えない。
だって、私の思う端数は9.5円。
相手の思う端数は109.5円。
端数、という言葉についた100円分の差は、そのまま、自分たちの金銭感覚、お財布の紐の固さ、ひいては、ケチか太っ腹か、までもを表しているような気がしたから。
考えすぎかもしれないけれど、1000円で、と言ってきた相手に、1100円でしょ、と返すのは、なんだか自分がケチみたいで、一度そう思ってしまったら、余計に言えなくなってしまいました。
まぁ、いいのです。
もし、今度、相手が先に払ってくれて、端数を切ってもいいよ、と言ってくれたとき、自分が思っているより一桁多く安くしてもらえる、ということだもの(そんなシチュエーション、めったにない気もするけれど)。
ちなみに、「端数」の辞書的な意味は、「ある位に着目したとき、その下の位の数。切りのよい位で切った場合の、余った分。(デジタル大辞泉)」だそうです。
切りのよい位なんて、時と、場合と、人による、ということがよくわかりました。
100円さえもケチりたいときは、端数、なんて曖昧な言葉は使わずに、具体的な数字を言いましょう。
逆に、太っ腹に見せたいときには、あえて、端数、と言ってみてもいいかもしれません。